第7週
2017/9/16
『日本流イノベーション 日本企業の特性を活かす方程式』
吉村慎吾 ダイヤモンド社
「ミッションをもう一度見直す」
著者である吉村氏の前作に心を揺さぶられたのだが、自社のプログラム紹介の側面も強く、研修参加者の課題図書としてより適切なものがないか、吉村氏の二作目を読んでみた。IOTを中心に世界の事例潮流を多く伝えると共に、日本がどうすれば良いかも提言している。世の中を変えようとする人には相変わらず勇気がでる本だ。
特に印象に残った点は二つ。一つ目は、パーソナライズの流れ。メガヒットが消え、マスメディアが凋落する。なぜならマスが存在しないから、というのは、納得感がある。
ウーバーなどのシェアリングエコノミーも「自分に合わせた便利さの追求」と捉えることができる。教育業でいえば、個別指導が隆盛なのも分かる。だらといって、個別じゃなきゃだめだと考えるのは非常に安直。私達が見ているのは間違いなく一人一人だ。集団型の良さである「集団効果」を活かしつつ、個の学力とライフスキルを伸ばせばよい。自学の力を高める、ライフスキルを高めるために、今一人一人に自分で決めてもらう流れができつつある。これは間違いなくパーソナライズの流れと一緒だ。一人一人まったく違うものになる。うちは単に授業が集団なだけ。授業を集団にしたほうが、魅力ある先生の授業がより多くの塾生に受けてもらえるからだ。
今の技術を磨き確固たる武器を創ると共に広げるには、「分かりやすさ」が課題だ。集団×個別といっても分かりづらい。ただそこで何か降りてきたら、必ず私達はブレークする。言い訳せずに、あるもの活かし、このままの流れでいけば、ブレークするのは時間の問題だ。どこまで時間を短縮するかだけだ。
二つ目は、企業のミッションが大事ということ。勝つまでやめなければイノベーションは起こり絶対に成功する。要は勝つまでやめない強い使命感を感じているかどうかだ。それがミッションになる。「自分の道を自分で拓ける人を創る」というのは、強い使命感から生まれたことは確か。ただ、陳腐化してないか、今本当にしっくりくるかもう一度自分自身で再考したい。9月中には一定の結論を出そうと思う。
結論でいうと、この本より1作目を課題図書にしたいと思う。というのもメッセージの強烈さが1作目の方があったからだ。嫌悪でも良いから揺さぶる。その点では1作目の方が優れている。参加者にとって刺激となるであろう。