宗興の本棚

第13週『スタンフォード式 最高の睡眠』

第13週
2017/10/27
『スタンフォード式 最高の睡眠』
西野精治著 サンマーク出版

今私は心技体のそれぞれを磨き、まさに蛻変(ぜいへん)しようとしています。心技体の各パートついて、知識を得て実践をし、内省をすることを繰り返す。最初の知識習得は主に書籍からであるが、今回珍しく心技体の体パートの知識を得るために、本書を手に取りました。

睡眠についてはここ3年ぐらい良質な睡眠をもとめストラグルしてきました。特にこの1年間は睡眠の質の悪さに苦しみ、疲労が取れずパフォーマンスが落ちることが何度もありました。例えばそもそも入眠が出来ない。また入眠が出来ても眠りが浅く悪夢にうなされる。何度か起きてしまうなど。この本から得た知識で今試していることを幾つか列挙します。

まず大前提として、良質な睡眠は最初の90分で決まる事は目から鱗でした。ノンレム睡眠とレム睡眠の周期が4回転ぐらいするのだが、平均的に徐々に眠りは浅くなる。最初のノンレム睡眠が浅いと、更に浅いまま周期を繰り返すため、質が悪くなるというメカニズムです。

最初をとにかく深くするこれに尽きます。その為に、寝る前に「体温」と「脳」に眠りのスイッチを入れる事を学びました。体温のスイッチは、深部体温と皮膚体温の差を縮めること、具体的にはお風呂につかり深部体温を上げる、その後90分ぐらいで深部体温が下がり始めるが、皮膚体温は既にかなり下がる。元々皮膚体温が高いため、入浴後90分ぐらいで丁度温度差が一番小さくなる。ここが眠りのポイントであり、ここで来るはずの最初の眠気を逃さないことが大切となります。

また脳のスイッチについては、とにかく脳を使わず単調な状態にすること。私の場合は、寝る前の将棋をやめ、瞑想をして貢献したシーンなどを思い浮かべ、副交感神経を優位にしています。結果として、大分入眠は良くなりました。ただ、最初の90分についてはまだ何とも言えません。入浴から睡眠までの時間にばらつきがあり、そもそも入浴の時間が不規則ということもあります。

今後は「入眠定時」を大切にしたいです。決まった時間に眠るとやはりリズムが作りやすいそうだ。模索してみます。

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第12週『教養として知っておきたい二宮尊徳』

第12週
2017/10/21
『教養として知っておきたい二宮尊徳』
松沢成文著 PHP出版

「辿り着いた場所そして不惑へ」
「自分の人生の師は誰か?」これまで私は答えることができませんでした。渇望してきたのですが見つけることができませんでした。LIFULLの井上さんではと言われることもよくありますが、自分の中で井上さんは師ではありません。敬愛するメンターというのが近い表現かもしれません。この夏、その恋焦がれてきた師に40手前でようやく会うことができました。

その師の名は二宮尊徳扇です。尊徳よりも二宮金次郎という幼少期の名で世には広まっているかもしれません。二宮尊徳扇は、江戸末期の方で、道徳と経済を両立させた方策
で農村を改革し、600以上の農村の再生を果たしました。その方策は「報徳仕法」と呼ばれ、尊徳扇が亡くなった後も後継者達ひ引き継がれ、明治以降の日本の発展に大きく寄与してきました。

尊徳扇を師と仰いだ方は渋沢栄一、安田善次郎(安田財閥創始者)、豊田佐吉(トヨタ自動車創始者)、松下幸之助、稲盛和夫など、農業系だけではなく経営者・実業家の多くも尊徳扇を信奉しています。

本書は元神奈川県知事の松沢氏が尊徳扇について、その人生や思想を紐解き、分かりやすく解説している書です。尊徳扇を師と私が決めたのは「道徳経済一元論」にあります。経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である、という考えで、単なる夢想家や理想論者ではなく、実行と創意工夫を重ね成果を出す。私の根本の考え・感覚と同一と言っても過言ではありません。いくら道徳を説いても金がなく実行ができなければ何も生まれない。だから実践をする。そして道徳の実践をさせる経済の実践があってこそ社会が発展していく。この理想的現実主義の考えに心から共感しました。

一方、自身は清貧ともいえるぐらい、分度をわきまえ生きていく。全身全霊で人生そのものが理念の体現という私の目指す所一緒です。また、心田開発という、田畑を開発するより、本人の意欲を引き出す所から自立の基盤を育成する考え方も一緒です。補助金は一切やめ、農民一人一人が立ち上がることで、再生していく考え方は本当に真っ当です。

40年出会わなかった師とここで会いました。心から喜びを感じています。尊徳扇を師として私淑していきます。尊徳扇の思想や哲学など、これから都度、皆様に少しづつ私の言葉で話をしていきたいと思います。

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第11週『伝え方が9割』

第11週
2017/10/13
『伝え方が9割』
佐々木圭一著 ダイヤモンド社

この売れない時代に100万部を超える超ベストセラーの本。コーチのえりさんが、佐々木さんの講演を聞いたという話も契機となり手にとりました。感じたことを3つ程、記載します。

1.最近売れる本の条件
結論で言えば、「憧れられるもの」×「実行しやすいもの」だと思います。所謂ビジネス書的なものの類で最近100万部を超えた本があります。『誰でもべたーっと4週間で開脚』という本で、『伝え方が9割』との共通項を探った結果、この掛け算が出てきました。「開脚」は多くの人の憧れです。「わかりやすく伝える」ことも憧れている人が多いのではないでしょうか。また、「実行しやすい」についても、両書とも文字が大きく
見やすく、分かりやすい構成です。

2.社外の賞が大きなインパクトとなる
米国の広告賞One Show Designで日本人初、ゴールド賞を獲得。カンヌ国際クリエイティブアワードでシルバー賞他計3つ獲得。AIMアワードグランプリ獲得と聞くとどう思うでしょうか。私は凄いなとなりました。これらは著者佐々木さんの実績です。私自身はリンク時代社内の賞を何度もとったのですが、やはりこういった外の賞をとることは、実績として大きなインパクトを及ぼすと感じます。ライフスキル教育も何か社外の賞を取れるとより波及しやすいと思いました。

3.強い言葉の作り方
本書は「ノーをイエスに変える方法」と「強いコトバを創り出す方法」の2つの構成です。特に「強いコトバ」の5つの方法は、本当に簡単にできるものが多く、チラシ等にすぐに活用できると感じました。例えば、ギャップ法。伝えたい事と反対の事を入れて表現します。「あなたが好き」ではインパクトが弱く、ギャップ法を用いると、「嫌いになりたいけど、あなたが好き」の方が強いコトバになります。「私は味方です」より「誰もが敵になっても、私は味方です」の方が強くなります。「事件は会議室で起きているんじゃない」も、「事件は現場で起きているんだ。会議室で起きているじゃない」の方が強いコトバになります。浩子、次宜しくお願いします。<笑>

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第10週『学習意欲の心理学』

第10週
2017/10/7
『学習意欲の心理学』
桜井茂男著 誠信書房

「まず潜在能力を認めるところから」
内発的動機を生み出す学術書。筑波大桜井教授が自身の実験結果を交えながら、内発的動機付けを分かりやすく解説しています。

内発的動機の3つの要素である、1有能感、2自己決定感、3他者受容感。これをベースに大きく二つの観点で感想と決意をまとめます。

一つ目は、内発的学習意欲の発現プロセスである。本書より私達が育てたい知的好奇心、達成意欲、挑戦心などは、内発的学習意欲が源となっていることが分かりました。源:有能感・自己決定感(←他者受容感)→現れ:知的好奇心、達成意欲、挑戦心→感情:楽しさ・満足→源:有能感・自己決定感・・・・と好循環プロセスが内発的学習意欲の発現プロセスです。知的好奇心などを涵養したいと思えば、内発的動機付けがやはり必要なのです。重要性をあらためて認識することができました。

二つ目は、内発的動機付けの具体的な方策です。内発的動機は、有能感と自己決定感が源であり、特に有能感が源中の源となるようです。有能感は平たくいえば「自分はやればできる」と感じること。K君が「やっても無駄」と思っているのは有能感の無さの典型です。

私がしたいことは、まず能力(潜在能力)を認めてあげることをしたい。その為にも観察が必要です。Sさんについては、本心から伸びる能力があると思っています。だから力強く励ますことができます。中1全員に対し、この2ヶ月間のタイミングで、潜在能力をほめられるように観察します。

また、自己決定感も大事です。親や先生に言われて仕方なくやった勉強で上手くいかない場合「やっぱりやらなきゃよかった」となります。よって自分で決めることはこれからも促していきます。

ただ、他者決定ではじめた勉強も好結果が出れば、次はこうしてみようと自己決定感につながる可能性があります。私達がけん引する場面とバランスが重要です。10:0ではありません。

最後は、他者受容感です。教師から受容されていると感じなければ、思い切った勉強はできません。つまり「安心して勉強できる場」が自発性には必要であり、愛情や応答的環境づくり(反応がある環境)が求められます。「僕は君たちがあきらめても、絶対にあきらめません。可能性を信じているから」とこの1ヶ月の間で伝える場をもちたいと思います。