教育心理の部屋

第2回「自己強化 3章ほめることの大切さ」

第2回
2017/12/15
「自己強化 3章ほめることの大切さ」

人間が自分でコントロールできる賞罰によって自分自身の学習を促進することを「自己強化」と呼びます。バンデュラとパーロフの実験(1967年)は子供の「自己強化」を実証しました。子供を被験者として、車輪を回すという運動課題の実験を行いました。課題は車輪を8回回すと5点の得点が与えられ、5・10・15・20点の4つの達成基準があります。被験者は3つの群に分けられ、1つ目の自己強化群は5~20の目標を一つ自分で選択し、車輪を回し始める。達成するとチャイムがなり、賞と交換できるコインを自由に獲得できます。そしてまた同じ手続きが繰り返されます。2つ目の外部強化群は、達成基準が外部に決められ、達成すればコインが自動的に与えられます。3つ目はただ課題を遂行するだけの群です。

結果としては、自己強化群と外部強化群は差異がなく統制群と比べ、高い作業量となりました。ここから、他者からの強化がなくても児童が自己強化によって学習可能であることが実証されました。親や教師からの賞罰がなくても、自律的に学習できる存在だという事です。

私達が現場で取り入れるとしたら、「自分でご褒美を設定してみる」事をライフスキル(意欲向上力)目標に入れてもらうことでしょうか。ビジョンセッションで、時折自分で勉強のご褒美を入れる事をやっている塾生がいます。昨年の受験生のMさんだったり、学力高めの子だった
記憶があります。「今日ここまでやったらテレビみてよし」等。少し皆さんも促してみてはいかがでしょうか。ちなみに私は自分に賞を与えるのが下手な人間です。自己強化を増すために、ご褒美の設定をしてみたいと思います。

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