教育心理の部屋

第6回 「リハーサル 1章 記憶力がいいとはどういうことか」

第6回
2018/1/20
「リハーサル 1章 記憶力がいいとはどういうことか」

情報を脳の中で繰りかすことをリハーサルと言います。リハーサルには2種類あり、短期記憶の情報を維持する「維持リハーサル」と、短期記憶から長期記憶に転送する「精緻化リハーサル」があります。維持リハーサルは単に言葉を頭の中で繰り返すようなことです。精緻化リハーサルは、関連付けがされるもので、たとえば「うみ」なら海のイメージを浮かべたり、「うみ」から「山」を連想したりするものです。

このことからも、やはり意味付けがされないまま暗記してもすぐに記憶から飛ぶのです。英語や社会、理科も意味を理解した上で暗記しないと、維持リハーサルにとどまり、学力には結びつけません。また、精緻化リハーサルの中でも、自分のことと関連付けられたものは、特に記憶がされます。例えば、「あかるい」という言葉を覚えるときに、3つの質問をします。これはひらがなか、カタカナか?この意味は?あなたに当てはまるか?この時、最後の質問をされた時の方が一番記憶されやすいです。

ロジャース(1997)の実験で、処理の違いによる平均再生回数が、自己、意味、音韻、形態の順になっています。自己は意味の2倍の再生回数です。私達の英語メソッド意味→音読→書きは正しいのです。ただ、更に塾生自身と結びつける工夫がされると、更に記憶の定着化が図れます。この辺り皆と探求していきたいです。
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宗興の本棚

第25週『人を育てるアドラー心理学』

第25週
2018/1/20
『人を育てるアドラー心理学』
岩井俊憲著 青春出版社

人材育成の専門家としては押さえておこうと考え手に取った本。特に最強のチームはどう作られるのかという所に興味がありました。

全体感としては、アドラー心理学のベースにあるのは、自己受容、信頼感、貢献感。つまり開放型マネジメントと理解しました。ただ、内容は、数々のコーチングの本などで叙述されている事とほぼ変わらず斬新さはありませんでした。逆にこのアドラー心理学が脚光を浴びるということは、それだけ旧来の統制型マネジメントが根強いとも感じます。

そうは言っても取り入れたいことが出てきました。下記2つです。

まず一つ目は、相手の私的論理を重視する。おそらくこれがアドラー心理学のベースの行為と考えます。部下も塾生も自分なりの考えや価値観があり、ここが分かりあわないと出発しません。よって聴くことが重要であると思います。

二つ目は、共同体感覚を高めること。つまり居場所があるということ。これは私が想っている子供の「第三の場所」になると同義です。英克、浩子にも共同体感覚を。塾生達にも共同体感覚を持って欲しいと感じます。

第三の場所という最高の場所作りのためにも、本書にあった最強組織の4つの手法を皆で実践していきたいです。1.「ヨイ出し」で勇気づける。2.「プロセス重視」で勇気づける。3.「失敗から学ぶ姿勢」を身につける。4.「感謝」で勇気づける。これを私達同士も塾生にも行っていきたいと考えています。
(592字)