第8回
2018/2/4
「忘却」(1章 記憶力がいいとはどういうことか)
エビングハウスの実験(1885年)では、記憶が忘却されることが分かります。まず、無意味な単語13のリストを繰り返し暗記し、ひとつの誤りもなくいえるようになるまで学習します。次に20分から31日間までさまざまな間隔をおいて再び完全に覚えるまでどのくらい学習する必要があるか調べました。
ただ、結果で表しているのは実は記憶量ではなく、再学習のしやすさであり、節約率という数値で表されています。節約率という考え方は、例えば13のリストを覚えるのに10分要し、20分後に4分要したとすると、6分節約したことになるので、6÷10=0.6(60%)という考え方です。
結果として、20分後58%、1時間後44%、1日後34%、1ヶ月後21%となっています。実は、1日後と1ヶ月後で再学習の負担はそこまで大きな差異がないと感じます。これでは私達が80テストを授業後すぐに行う為の学術的裏付けにはなりません。しかし私はこのグラフに表れてないことこそ感覚値で重要だと思っています。それは、再学習後の節約率であり、具体的には各間隔で再学習したあと再々学習した時の節約率です。おそらく記憶後すぐに再学習した方が、その後の節約率が高い=定着が良いと感じています。再学習後の節約率、ここの学術的エビデンスが欲しいところですが、私達はこのまま80点テストの合格率を大切にし、進んでいきましょう。
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