教育心理の部屋

第9回「干渉」(1章 記憶力がいいとはどういうことか)

第9回
2018/2/12
「干渉」(1章 記憶力がいいとはどういうことか)

忘却がなぜ起こるのか。これは二通りの説があります。その一つに「干渉」という考え方があります。干渉は別のことを学習する為、前に学習したことを忘れる現象です。干渉には順向干渉と逆向干渉があります。順向干渉は、以前の学習のため新しい学習の記憶が妨害されること。例えば、英語を覚える時、私はMuneoki(ムネオキ)と最初はローマ字読みから入ったため、Makeを「マケ」Studyを「ストューディー」と読むなど修正に時間がかかりました。

活用として、中1数学の正負の計算で、カッコ外し前後では解く手順が異なり、混乱します。カッコ外し前とカッコ外しとの連関を研究し、干渉が起こらないよう指導していきます。もう一つの逆向干渉は、新しい学習のため、既に学習していたことの記憶が妨害されることです。例えば、通常の英語読みに慣れると、今度はローマ字読みがしにくくなります。SENDAI KARA KITA HITOWA「仙台から来た人は」など、私は若干ストレスに感じます。

逆向干渉について、よく実験的な証拠して用いられるのが、学習後睡眠をとった時の方が、覚醒していた時より記憶が長く保持されている事です。これは覚醒の方が、学習したことと関係のない余計な情報が入ってきて干渉が起こるからと考えられています。活用としては眠る前、重要なものの暗記を促していくことでしょう。
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