第32週
2018/3/11
『史上最強の哲学入門』
飲茶 河出文庫
「社会を本当に変えてきたのは、革命家や大衆である前に、彼らを支えた思想家たちの言説であると思う。」これは日本政策学校で知り合った馬場さんの投稿です(1/9)。フランス革命のルソー、共産主義革命のマルクスなど、世の変革にはそれを支えた思想家がいます。私自身、ライフスキル教育で大きな社会のうねりを創ろうとしています。自分が依拠できる思想を持つことは以前からの宿題であり、本書を手にとりました。本書は馬場さん主催の哲学勉強会の課題図書でもあります。
本書の中で私が納得・共感した5名の西洋哲学者を列挙します。
ルソー。人間は国家などなくても、互いに助け合って暮らしていける平和的な生き物と考えており、この人間観は私には合います。
ヒューム(イギリス経験論哲学)の、「神も科学も思い込みに過ぎない。人間の知覚を中心とした経験上の産物に過ぎない。」という考えも、現実的で納得感があります。
カント。人知を越えた真理を求めるロマンではなく、人間にとっての真理を求める現実的な方向へと哲学を変えました。人間にとって意味あるものを考えるスタンスに私も共感します。
サルトル。自由とは「何が正しいのかわからないのに『好きにしろ』と放り出されてしまった不安定な状態のこと」を指し、人間は自由の刑を科せられていると言っています。だからこそ思いっきり生きろ。折角やるのだから大きな舞台=歴史を進めるぐらいに、というメッセージは清濁併せのみつつそれでも起ち上がる感覚で、深く共鳴します。
ニーチェ。人間本来の根源的なまっすぐの欲望とは力への意志。宗教が人間の生きる力を弱めた。強くなりたいという意思をしっかり自覚し、それから目を背けないという考えの人間主体、人間礼賛の部分に共鳴をします。
この他、フッサールやソシュールにも興味がわきました。こうみると、自分の筋が「人間礼賛」的であることが見えてきました。私は人間は素晴らしいと思っています。そして生をそれぞれの目的で充実させ、まっとうしたいという強い渇望がある存在であるとも思っています。次に別の書を使い、上記5名の内容をもう少し詳しく掘っていき、誰が自分の思想の依拠する方になるのか探っていきます。また東洋思想の本も読み進めます。
(923字)