第33週
2018/3/18
『フランス革命 歴史における劇薬』
遅塚忠躬著 岩波ジュニア新書
教育改革の実現要素は何か。歴史上の革命(社会構造の改革)から要素を抽出し、教育改革の参考にする意図で本書を手に取りました。
フランス革命は、明治維新と違い、大衆という虐げられていた弱い者たちが主体となり革命を起こしました。主体が今の私の立場に近いという事も、フランス革命を分析対象とした理由でもあります。
フランス革命のポイントは3つあると考えました。
まず時代背景として、旧体制の行き詰まりがあります。覇権を争っていたイギリスは産業革命で工業化が進み、フランスは後れをとります。明治維新同様、外圧による危機感が改革の土壌を醸成する点は注目すべきです。
二つ目は、ブルジョワジー(富裕な商工農業者・知識人)の台頭です。資本主義という新しい経済システムの中核をなすのがブルジョワジーであるため、彼らの力は必然的に増し、三部会など議会でも力を持ちます。ここから読み取れるのは、時代の流れを推進する者が主役になるという点と、やはり改革には政治的な力が必要という点です。
三つ目は、革命には大衆の力が必要だったということ。大衆の情念の巨大な噴出によりバスティーユが起こり、王政が廃止されました。ここから、結局世論に認知され味方にする事が重要と考えます。一方大衆の「情念」はリスクがあり、フランス革命は内部抗争や蜂起など血で血を争う事態となっています。今後イギリス名誉革命、日本の明治維新もあらためて分析していきます。
(599字)