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第41週『図解 世界の哲学・思想』

第41週
2018/5/12
『図解 世界の哲学・思想』
小須田健著 日本文芸社

自分のライフスキル教育の思想がどの思想家に依拠しているのか。そこを探るべく、先日哲学入門を読みました。次に思想変遷の流れを掴む目的で、GW中本書をノートに時系列でまとめました。主に三つのことを気づきとして得ました。

まず、哲学史の大きな流れとして、「古代哲学(宇宙の理法を知るための理性)」「中世哲学(神に従う理性)」「近代哲学(神から離れた論理的な理性)」「現代哲学(理性を批判し考えをリセット)」を把握できました。ちなみに、哲学はギリシアのタレスが万物の根源を考えたところからが始まりとされています。自然現象は全て神の力によるものという信仰に初めて異論を唱え、万物の根本原理(アルケー)があると考え始めたのは驚嘆です。

二つ目に、哲学は人類が永続しようとするための営みであると感じました。まずプラトンは凄いです。現実界と理想界を分けたイデア論(二元論)は、この先も現代まで影響を及ぼします。しかし、プラトンのイデア論を批判し、アリストテレスが事象の観察を重視し学問が体系化されます。他にもカントをフィヒテが、フィヒテをシェリングが、シェリングをヘーゲルが、そしてヘーゲルをキルケゴールが批判して独自の論を創ります。前の哲学者の批判をして自分の論を生み出し、また別の人が批判して次の論が生まれるという繰り返しに躍動感を感じます。勇気をもって考えを世にさらすことにも価値があると思います。

三つ目は、実存主義が私の思想に近いと感じます。実存主義は、デンマークのキルケゴールが最初と言われ、「万人に承認される真理より自分自身にとっての真理が大切」と言っています。ヘーゲルの弁証法によって永遠に心理を探求し続ける考えに対して、「今ここに生きている私という個人を無視した人間味の無い哲学」と言い切ったそうです。各人が情熱を掻き立てられると感じる対象が主体的真理であり、それこそが重要という考えに私はかなり共感できます。実存主義はヤスパース、サルトルと続いてきます。おそらく、今後実存主義の人達の思想に絞り、深く掘っていくことになりそうです。
(864字)

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