宗興の本棚

第53週『人材開発マネジメントブック 学習が企業を強くする』

第53週
2018/8/4
『人材開発マネジメントブック 学習が企業を強くする』
福澤 英弘著

企業における人材開発の体系的知識を深めるために手に取った本第二弾です。人材開発の専門家としてこんなことも知らなかったのか、という知識があり役立ちました。

まず4つの学習スタイル。①学習移転モデル②経験学習モデル③批判的学習モデル④実践コミュニティモデルがあり、目的に応じて適用する必要すると効果的に学習が進みます。例えば、正解がある知識を付与する場合は①学習移転モデルが効率的。独自の知見(マイセオリー)を生み出すには②経験学習モデルが効果的。そもそもの前提や手段を疑う時は③批判的学習モデルが良いでしょう。大学の研究室のように情報量を増やすには④実践コミュニティが効果的です。

②の経験学習モデルのマイセオリーの所は是非取り入れたいです。ただ漠然とライフスキルを振り返るのではなく、マイライフスキルシートの中に、1ヶ月に1回自分なりの上手くいく、いかない法則を記入する枠を設けることで、塾生にステップアップしてもらいます。

次に、能力の話も有用でした。ガニェは獲得できる能力を①知的技能②認知的方略③言語情報④態度⑤運動技能と整理しました。ビジネス世界においては筆者のようにシンプルに①知識②スキル③メタスキル④態度としても良いと思います。マクレランドの弟子スペンサーは、コンピテンシーを①動因②特性③自己イメージ(態度・価値観)④知識⑤スキルに分類しました。この辺りの知識も有用です。インストラクショナルデザイン、ADDIEEモデル(Analyze、Design、Development、Implement、Evaluate)も知識として入れておくべきことです。

最後に、講師の4タイプも面白かったです。構造化重視⇔流れ重視、知識授与⇔知識・思考を引き出すの4象限に分かれます。構造化重視&知識・思考を引き出すタイプはファシリテータータイプで吉田。知識授与⇔流れ重視は研究者タイプで英明でしょうか。
(797字)

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