宗興の本棚

第54週『右四間飛車戦法』

第54週
2018/8/12
『右四間飛車戦法』
先崎 学著 創元社

将棋をはじめて1年半。この半年以上、宗真と実来の昇級が滞り、僕自身も成長実感があまり持てていませんでした。棋力が伸びない理由は、将棋の基本的な考えと技が身についていないからです。これは一つの戦法に習熟してないことに起因すると考えました。色々な戦法を試してはいるものの、繰り返し行う戦法が固まっておらず、考えや手筋(技)を学んでも忘れてしまい使う機会がなく身につかない。よって、本をもとに一つの戦法に習熟していき、そこから考えと技を学ぶことが近道と考え、本書を手に取りました。

まず6月下旬に私が吉田家全員昇級計画を作成しました。そして「夏休み終わるまでに昇級しなかったら将棋教室は終わり」と崖っぷち宣言をし、危機感を醸成すると共に3つのことを進めていきました。
①詰め将棋を毎日/週1回みおみお杯(100マス的反復・3回買ったら豪華お菓子)
②朝1時間吉田ができる日に本から学ぶ(学習)
③宗真と実来で毎日平手&感想戦(実践・内省 感想戦は毎回喧嘩となり微妙)

将棋本というのは、樹形図のような構成になっています。分岐点で選択肢が幾つかあり、一つの選択肢にまた分岐点がありといった形です。よってノートに樹形図を書くところから始まります。そして、3パターンぐらいを1時間で、宗真と実来と一緒に指していきながら、戦法の流れや手の意図を覚えていっています。

結果として、6月下旬から初めて1.5ヶ月たった昨日二人とも昇級しました。実際に「おまけかな」と思って、宗真と平手で指してみたら大苦戦。負けの一歩手前で相手のミスで勝ったような状況。つまり確実に強くなっていました。現在は新しい本「四間飛車」に入っていますが今後「棒銀」「中飛車」「相矢倉」と計5つの本(戦法)を制覇できれば、中級クラスになるはずです。一方先生の私の方は、自分で指して動きを確認していないので、実はあまり伸びていません。復習の時に実来に先生をしてもらい、実際に動きを確認します。

今回は書評というより、本をどう使うか的な話になりましたが、プロの将棋本から「逃げずに攻める姿勢」を学んでいます。この本だけにとどまらず、どのプロも攻められた時や駒損(犠牲)があっても、「強く指す」と言っています。
(921字)