第64週
2018/10/20
『誰でもビジネス書の著者になれる! 出版の教科書』
松尾昭仁著 秀和システム
本を出せるぐらいの実績をつけてはじめてプロや一流の証と思う所があり、書籍の出版は私にとって宿願です。清瀬も始まったことで出版が視野に入り、本書を手に取りました。
私が掴んだ書籍出版(商業出版)のポイントは二つです。まず、出版社は「いい本」ではなく「売れる本を出したい」という前提を押さえることです。「あくまで読者が求めるコンテンツを本にまとめるのが大原則」と筆者が言うように、自分が伝えたいだけでは出版はできないということです。ビジネスの世界ですからニーズが必要。当たり前ですが見失いがちな大切なことだと思います。売れる本という目的に立脚すれば、売れるための企画をする、編集者に謙虚に接する、販売促進も行う等も全てつながります。
もう一つは、出版は誰もが驚く実績がなくてもできるということです。これは読者ターゲットを明確にすることとセットです。『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ方法』は、セミナー講師を開始し1年半の時に筆者が出したものです。高給の外資コンサルタントには評価されずとも、これからセミナー講師を始めたい人や、キャリアが下の人をターゲットに書きスマッシュヒットになったそうです。通常、出版はS級の専門家が書くものと思っていましたが、A級、B級、C級、D級もありピラミッド構造になっています。C級でもD級より下の人に教えられることがあり、これを筆者は「三角形の法則」と言っています。あわせて新人筆者は大ヒットを狙って読者ターゲットを広げてはいけないとも言っていました。
読了後、自分の中で書籍出版のイメージが変わりバーも一気に下がりました。簡潔ながら本質をついている良書でした。
(700字)