宗興の本棚

第75週『小さな会社生き残りのルール』

第75週
2019/1/6
『小さな会社生き残りのルール』
市川義彦著 長崎出版

厚く重い本が続いたこともあり、少しライトなものをと手に取りました。著者の市川さんは、九州の警備会社の社長。24歳の時に立ち上げ、幾多の試練を越え、現在自社ビル、社員寮を保有し、完全無借金経営をされています。

本書はデフレ経済下で小さな会社が生き残る「守りの経営」を説いた本です。「小さくても強い会社」になる経営者のノウハウが書かれています。しかも、強い口調で。ノウハウというより「喝」でしょうか。この喝の中で特に心に響いた3つを書きます。ちなみに装丁は黄色、イラストも落書きのようなかなり「刺激的」な本です。

まずは「小さな会社の経営者にプライドは不要」。経営者は先頭に立って、留保金を資本金の10倍になるまで、先頭に立って寝る間も惜しんで働け。役など一銭にもならないから引き受けるな。車や装飾品なども安くてよい。そもそもデフレ時代に売上拡大路線が偉いと考えるな。「社長は良心に従うサムライ」であれ。など、見栄やプライドなどどうでもよいという主張が何度も出てきます。それだけ経営者がプライドに執着すること、それが会社を衰退させることを自他の経験から実感しているのでしょう。この喝は私にとって以前だったら「耳が痛い」ものでしたが、今は不思議と心地が良いです。私は自社のミッションの遂行、ビジョンの実現にまい進すればよいわけで、段々体現し始めているのかもしれません。

次に、「中真面目」。真面目過ぎると頑固で融通がきかず、息も詰まる。遊びなども人並みにやるが、分を守って決して深入りをしない「中真面目」が一番良いとあります。私は全て仕事に結びける仕事一辺倒人間であり、最近ようやく趣味ができました。それでも「ビジョン実現に向け、趣味に時間使ってよいのか?」と自問する時があり、この「中真面目」で安心しました。

最後に、経営者に求められるリーダーシップとは実は「社員の支持があるかないか」であること。上の二つも要は社員に支持を得られるかに帰結すると思います。私は社長が社員から支持を得ていない会社は、お客様に対しての価値も最大化しないと考えています。年1回の全員サーベイはやはり続けていきたいです。
(892字)

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