教育心理の部屋

第54回「家系研究 8章 人間の発達について考える」  

第54回
2019/5/3
「家系研究 8章 人間の発達について考える」  

【まとめ】
人間の発達は、遺伝によって規定されるのか、環境によって規定されるのか。

遺伝が発達に及ぼす影響を調べる方法として、家系研究がある。音楽家、ヨハン・セバスチャン・バッハの家系は数多くの著名な音楽家が輩出されている。また、家系研究としては1877年のダグデールによるジューク家の研究がある。ある地方刑務所に親類6人が別々の罪で収容されていた。これに関心を抱いたダグデールは彼の家系をさらに綿密に調べ、7代前までさかのぼることができた。ジューク家は709人中、140人が刑務所に服役し、うち60名は強盗常習犯であることをつきとめた。バッハ一族やジューク一族の家系研究から、近親者に類似の能力や人格をもつ者が極めて高い確率で輩出されることは確かなようだ。

ただ、家系研究から得られた結論は、環境要因も交じっており、遺伝か環境かどちらの影響によるものなのか明らかにすることはできない。

Richard Louis Dugdale (1841 – 23 July 1883) was an American merchant and sociologist, best known for his 1877 family study, The Jukes: A Study in Crime, Pauperism, Disease and Heredity.(Wikipediaより)リチャード・ルイス:ダグデールは、アメリカの商人、社会学者である。最も有名な著書は1877年家系研究『ジューク一族、犯罪、貧困、疾病、および遺伝の研究』。

【所感】
非常に興味深い領域に入ってきました。発達が遺伝によるものか、環境によるものか。「人の可能性を信じる」という事を信条としている私としては、勿論環境要因派ですが、一方これまでの体感値として遺伝要因もあるということは否定できません。学術的にはどちらに軍配があがるのか、次章の双生児研究が楽しみです。
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週の風景

006 咲心舎ビジョンセッション

今日は咲心舎ネタです。

咲心舎では中2,中3に月1回ライフスキルを体得するビジョンセッションを行っています。先週、リニューアルしたプログラムの第1回目を中3、中2それぞれに行いました。

4/22(月)の中3は、「ビジョンプレゼン」。
1.自分のビジョン(夢や目標)な何か?その理由は?
2.どの高校に行きたいか?その理由は?
3.その夢や目標のために自分が頑張っていること、頑張っていくことは?
4.みんなに協力して欲しいこと、応援して欲しいことは?
のスピーチ原稿を自分で考え、皆に話していきます。

まだ具体的に職業が決まっていなくても良いのです。
例えば、ある一人の塾生は、
1.社会に貢献するモノづくりをしたい。なぜならふとした日常の様々なものが人によって作り出されていると気づいたから。
2.北園高校に行きたい。自由度が高く、また学力的にも高い人たちが集まる環境で、貢献するモノが見つけることができそうだから。
3.実技科目は絶対に負けない。5教科もより一層高い点数をとるために、毎日勉強をする。
という感じで、自分の中で一本通るものができればOKです。

嬉しかったのは7人中6人が、現時点で目標高校が明確であったことです。昨年の反省をいかした英克は素晴らしい。そして、ご協力を頂いた保護者様に感謝致します。ありがとうございます。今年の中3受験生の成長も楽しみです。

4/23(火)中2は、「自分の心を感じる」&「吉田との対話パート」でした。
今期はプログラムをリニューアルしつつ、都度私が塾生と対話するパートを入れました。テーマは、学歴社会、成熟社会、競争社会(資本主義)、何のために勉強するか等々、子供の頃に吉田が知っておきたかったシリーズといえるようなものです。

今回のテーマは「学歴社会Part1」でした。

学歴社会の定義は下記です。
「社会的出自,本人の能力・業績・人格などに比べて学歴 (学校経歴) が職業,所得,社会的威信,社会的地位を決定する度合いの強い社会をいう。」(ブリタニカ国際大百科事典)

写真は統一地方選の知事選前半結果です。17名中14名が早慶、旧帝大以上。2名がMARCHクラス。
(ちなみに、大阪市の松井一郎氏は福岡工業大卒)
まず、このような写真を見せつつ、東大を頂点とする学歴ピラミッドの話をしていきました。
ルールを作る側は高学歴が多いよね、と。

次回は、中卒や高卒では受検できない企業が多数あることを、見せつつ学歴社会について皆で考えていきたいと思います。

日本は学歴社会の側面が強いのですが、学歴社会は合理的な理由があるため、私は全く否定する気になりません。
大切なのは日本社会がそうであるという、その現実を知った上で何をしていくかです。

中高生の頃、これを教わっていたら、浪人してももうワンランク上の大学に行っていたかもしれません笑。

宗興の本棚

第91週『図解 基本フレームワーク50』

第91週
2019/5/3
『図解 基本フレームワーク50』
グロービス著 嶋田毅執筆 ダイヤモンド社

ブルームウィルの研修コンテンツの一つであるフレームワーク。この知見を深め、参加者のフレームワーク制作力・運用力を更に伸ばせるようにと考え、手に取りました。本書では50個のフレームワークを紹介しており、その中で印象的なフレームワークを三つの観点で整理し伝えます。

まずは、咲心舎の事業戦略上すぐに活用できそうなものからです。
戦略キャンバス、4つのアクション(①取り除く②思い切り減らす③大胆に増やす④付け加える)を適切に組み合わせ、ユニークで価値のあるポジションを考える為のものです。戦略を整理する際にすぐに活用できそうですし、英克にも追体験してもらいやすく、戦略の浸透にも有効と感じます。
ブランドエクイティ、ブランドを4つの要素(①ブランド認知②知覚品質③ブランド・ロイヤリティ④ブランド構想)に分け、ブランド価値を高める上でどこに問題があり、どのような対策をすべきかを考える為のものです。咲心舎においては、まずは③ブランド・ロイヤリティの極大化、つまり驚くべき成果を出し心酔してもらうことが最優先であることがはっきり分かります。

次に、現在プログラムで使用している中で、説明を充実化できそうなものです。
PEST分析、未来予測の期間を「通常3年から5年」と著者は言っていますが、参加者の能力を鑑み2年など近過ぎた設定の時もあったので、やはり3年から5年を適切な範囲として設定していきます。
3C分析、競合分析の情報収集が難しいと著者は言っています。これは留意点として私も参加者に伝えていますが、HPの公開情報だけでなく、「顧客や仕入れ先からの間接的な評判」なども有効と書いており、参加者にHowとして伝えられそうです。

最後に、未知でいつか使えそうなものです。
VRIO、4つの観点(①Value経済価値②Rarity希少性③Imitability模倣困難性④Organization組織)で自社を分析し、自社の強みを知る為のものです。自社の強み理解が必要な対象者に提示できそうです。
CAGE、グローバル経営において4つの隔たり(①Cultural文化的②Administrative③Geographical④Economical)で考え、国ごとの留意点やビジネスチャンスを検討する為のものです。グローバル展開を考えている企業様の場合、取り入れたい分析ツールです。
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