宗興の本棚

第95週『THE TEAM』

第95週
2019/5/25
『THE TEAM』
麻野耕司著 幻冬舎・NEWSPICKS

前々職リンクアンドモチベーション社の後輩である麻野君の著書。本書との出会いのきっかけは15年来の知己であるLIFULL羽田さんです。打合せ時に、麻野君の本が出版されることと、発売前にもかかわらず30,000部の予約となり「すごいことになってますよ」と教えて頂きました。丁度、ブルームウィルの新しいチーム造りを模索していたこともあり、後輩に教えを乞うべく手に取りました。

一番参考になったのは、チームには唯一の絶対解はなく、最適解があるということです。筆者は、チームを「環境の変化度合い」×「人材の連携度合い」の2軸の掛け算で4タイプに分け、各タイプに適した解があると述べています。4タイプは、柔道団体戦型(変化大×連携小:生保の営業チーム)、サッカー型(変化大×連携大:スマホアプリの開発チーム)、駅伝型(変化小×連携小:メーカーの工場生産チーム)、野球型(変化小×連携大:飲食店の店舗チーム)です。

このタイプ分けに照らすと、もっともらしいチームに関する意見が、必ずしも正しいとは言えなくなります。例えば、「メンバーが入れ替わらないチームが良い」というのは、聞こえはいいですが、スマホアプリの開発チームなど、環境変化の大きなサッカー型のチームにおいては必ずしも当てはまりません。環境に合ったスキルを持った人材を常に流動的にアサインしていくことが求められるからです。「多様なメンバーがいるチームが良いチームだ」というのも、連携度合いが少ない駅伝型の組織ではスキルやスタンスが似たタイプのメンバーの方が、全体のパフォーマンスの総和は大きくなります。

咲心舎は、駅伝型にあてはまります。顧客が求めること(学力)や、こちらが教える内容(5科目)の変化はそこまで大きくありません。また一人で完結していくことが多い事業です。
駅伝型のチームは、ルールについて個人成果に責任を負う方がよい、確認が少ない方がよいなどの最適解があります。私の経験則からの法則を当てはめるのではなく、駅伝タイプに即した最適感を取り入れていきたいと思います。

最後に、より多くの人に再現性をもって理解してもらうために、複雑な事を分かりやすく説明する文体は、創業者で代表の小笹さんが生き移ったかのようでした。「伝承」を感じる書籍でした。
(944字)

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