週の風景

017 学校はありがたい

今日はプライベートのことです。

先週の火曜日、やむを得ない事情から小2の息子を学校を休ませることにしました。いわゆる謹慎に近いもの。その日は仕事を含め両親が外出しているため、一人でずっと家にいることになりました。

吉田家はテレビはない(正確にいうと見ない)ため、息子は誰とも一言も話さず、本を読むか、一人将棋をするか、一人でレゴするか等していたそうです。

このまま学校に通わせることができないとどうなるか・・・想像をしてみました。

・他者接点が乏しく刺激がない
・音楽&図工をはじめとした実技ができない
・運動会の準備など学校行事に関係する活動がない

勉強は親が教えればよいのですが、それ以外のものは家庭でカバーするのが苦しいです。そもそも刺激がなく、子供から生きる活力を奪っていく感じがし、私自身とても心苦しくなりました(息子は普段活発なのでなおさら)。

当たり前に通わせている学校が、子供にとっても親にとってもこんなにもありがたいものだったのかと、痛感する1日になりました。

翌日から登校許可をし、息子は楽しそうに学校に行きました。

家庭は私自身と一心同体であり、家庭に問題が発生すると、鈍く重い感覚がつきまとい、心身に堪えることもよく分かりました。
(逆に仕事が救いになる的な)

学校というこの社会システムは本当にありがたいです。このありがたく素晴らしい日常が続くよう、パパもしっかりと子供と向き合っていきます。

★お知らせ
9/21(土)PEACE DAY2019開催!@海浜幕張

「Believe in Peace with Love」をコンセプトとして、世代、立場、すべてのジャンルを超えて楽しめる野外フェス「PEACE DAY19」が開催されます。ブルームウィルは特別会員になっており、30枚チケットがあるので、チケットが欲しい方は是非お声がけください(当日券6000円を無料でお渡し致します)。東京在住の方は少し距離がありますが、世界平和に少しでも関心がある方は是非!

URL:https://peaceday.jp/2019/

【一般財団法人PEACE DAYとは(HPより)】
一般財団法人PEACE DAY(以下、PEACE DAY財団)は「争いのない平和な世界を実現する」というビジョンを掲げ、2019年6月に設立されました。野外フェスという場を通して立場の異なる組織や個人が壁を超えて協働し、平和の実現を目指していく仕組みを創ることで、世界平和を実現したいと思っています。

代表理事として株式会社LIFULL代表取締役の井上高志、他にも様々な立場やジャンルの理事たちがそれぞれの想いをもって集まりました。また、野外フェスの企画/運営/制作チームは、野外フェス「旅祭」を主催/運営している株式会社TABIPPOと株式会社A-Worksが担当しています。

教育心理の部屋

第59回「知能の発達② 9章 知的発達のメカニズム」

第59回
2019/7/15
「知能の発達② 9章 知的発達のメカニズム」

【まとめ】
ピアジェは4つの発達段階を示した。
0~2歳 感覚運動期
2~7歳 前操作期
7~11歳 具体的操作期
11歳~成人 形式的操作期

2歳から7歳までを、ピアジェは前操作期と呼び、「自己中心性」という概念で特徴づけている。

ピアジェの3つ山問題。
高さと色の違う3つの山を重なって並べ、東西南北の位置に眼鼻のない人形を置く。それぞれの位置で人形から山の見え方はどうなるか、という問題を子供に行ったところ、子供の見方がいくつかの段階に区別できることが分かった。
最初は、自分が見ている風景と似た絵を選ぶ。次に、部分的に山と山との重なりぐあいなどを考慮する。次第に複数の関係を同時に考慮し、適切な絵が選べるようになる。初期の子供の特性を「自己中心性」とピアジェは呼んだ。

7歳から11歳を具体的操作期と呼び、他者の視点を獲得できるとした。前操作期には、底面積の広いビーカーに入ったジュースを細長い容器に移し替え、どちらの量が多いかと問うと、背が高い後者の方を選ぶ子供が多い。これが具体的操作期になると、形が異なっても量が保存されると子供は答えるようになる。

12歳以降を形式的操作期といい、抽象的な思考が可能になる。見た目の具体的なものだけでなく、例えば「密度」のような抽象的概念も扱えるようになる。

私達大人があたりまえと考えていることも、長い発達の過程を通して獲得されることをピアジェは示した。ピアジェは、発達段階を区別し、例えば前操作期の子供に訓練を行うことの効果には否定的だった。しかし、その後の研究は訓練や教育がある程度効果をもつことを示している。

【所感】
ピアジェの「認知発達理論」はなるほど、と頷けるものですが、これを教育にどう生かすのかという点は本書に詳説されていません。ネットで探してみたのですが、教育法として良質な情報は得られませんでした。『ピアジェの理論は科学的な裏付けがあるのですが、(実際に何をさせるか、という)教育システムとして実用的でないという部分がネックでした。』と書いてあるサイトもあり、実用が難しいようです。ただ、以前出てきたレディネスという考え方は、ここでもやはり重要と感じます。無理に早期教育をし発達を促進するより、自然と子供の発達を待つという感覚が健全な子供の成長には有益なのではないでしょうか。
(959字)

宗興の本棚

第102週『勉強するのは何のため?』

第102週
2019/7/15
『勉強するのは何のため?』
苫野一徳著 日本評論社

4月から咲心舎のビジョンセッション吉田パートで「なぜ勉強するのか」を題材に塾生と対話しています。この問いの私なりの解に哲学的深みを持たせるため、前回公教育の本で出会った苫野さんの哲学思考が興味深かったことから本書を手に取りました。

二つ程、印象深かったことを伝えます。

まず、苫野さんは「勉強を何のためにするのか?」には唯一絶対の正解はなく、納得解を出すものであり、考えるべきは自分にとっての正解であると主張しています。また、苫野さんは、納得解を出すには「問いの立て方を変える」ことが有効であり、「なんで勉強が必要なのか?」ではなく「自分はどういう時に勉強する意味を感じられるのか?」と問う。その答えを見つけたら自分なりの解をみつけて条件を整えればよい、と言っています。

これはビジョンセッション内で活用できるとても実効的な考え方と感じました。まず、ぱっと浮かんだ言葉が「自分解」です。「個人解」でも良いかもしれません。万人に当てはまる一般解ではなく、今の自分にとっての答えです。この「自分解」という言葉を用い塾内で共通言語化しながら、「勉強に意味があると思えるとき」を出し、理由を考えてもらう。出てきたものを自分のノウハウとして頻繁に使うことを推奨するようなセッションを行ってみます。

次に、「自己不十全感」という新しい言葉との出会いです。人は自由への欲求があるゆえ抱く感情であり、自分に対する不満のことを指します。苫野さんはいじめが発生する理由の一つにこの「自己不十全感」を挙げています。そして自己不十全感を克服するには「承認」と「信頼」が必要と主張しています。

これは教育界ではよく挙がるキーワードであり、正直「またこれか」と思う面もあります。しかし、哲学者の苫野さんならではの説得力を感じると共に、実行することの難しさも感じます。咲心舎を更に承認と信頼が溢れる場にしていきたいとあらためて思いました。
(799字)