週の風景

020 貴重な面談

先週はマネジメント職への研修を3件行いましが、休養十分でなんだか力がみなぎっていました。やはり休みは大切です。一方風景のネタとしては、NPOです。

先週の水曜日、清瀬二中で一番VSが苦戦しているクラスの先生と1対1でじっくりお話する機会を頂けました。まじめにやらない、ふざける男の子達が多くて、12月のインタビュー時でもそのことは聞いていました。実際、4月から毎月のVS時にこのクラスを張り付きでみると、運営がとても難しいことを実感し、これでは先生が安心してVSを実施することはできないのではと危惧していました。

面談時、予想通りこの先生から「正直、VSのときは気が重いです。」という言葉が出ました。しかし、こういう本音を仰って頂いたのが実は大きなことで、この先生と私(VS)の関係が進んだともいえます。

そして「ワークが難しいからまじめにやらない」ではなく「自分にとって有益な活動と感じてないことが原因ではないか」という意見を頂きました。ビジョンとか自分には関係ない。その先に自分の成長とか見えない、なんでこんなことやらされてるんだよ、という気持ちなのではないかと。

この意見もとても貴重であり、私達はふざける原因がワークの難易度の高さにあると思っていたのですが、むしろ有益さが見いだせないことにある、というのは発見でした。同時に、咲心舎では塾生に援けられていた部分が大きかったなと思いました。

その他、
①題目だけで流れが理解できるものが欲しい。何回話し合うのか。ぱっとみて分かるものが分かると、準備がしやすい
②VS時の座席の見取り図があると良い。「どこにフセンを貼りますか?」という質問があるので。
③A4縦で目当てが一覧で書いてあるものがあれば、拡大して黒板の半分に貼ってはじめられる。
など、より簡便に行うためのリクエストを先生から頂きました。

今年度のテーマは「先生方が安心してVSができる状態をつくる」に向け、また一歩進みました。徹底的に寄り添い、コンテンツの改訂と共に、運営補助にも力を入れ形にしていきます。上手くいく素材は揃ったので10月に向け、今週から制作開始です。

※先生曰く、生徒に好評だったVSテキストのあるページです

教育心理の部屋

第60回「ルールの発達 9章 知的発達のメカニズム」

第60回
2019/8/11
「ルールの発達 9章 知的発達のメカニズム」

【まとめ】
知識をプロダクションルール(if-then)の集まりとしてみる考え方がある。シーグラーは、形式的操作期の課題とした天秤課題についてさまざまな発達段階の子どもたちが使用するルールを推定する研究を行った。

左右のおもりの数や位置で、天秤はどう傾くかという課題。中心から同じ距離だがおもりの数が違う場合、おもりの数が同じだが距離が違う場合、おもりの数も距離も違う場合などで種類分けをする。そして子供達の思考パターンを4つのルールに分けて、各種類の課題の正答率を出した。

パターン4の多くの変数を処理する思考パターンを用いている子供達の正答率が一番高かった。また年齢別の正答率をみると、16歳~17歳の正答率が一番高い。ここから、子供の知的発達は、問題解決のための簡単なルールを使うことから、しだいに緻密な複雑なルールを獲得していくことだと考えられる。

【所感】
自分なりのプロダクションルールを作ることは、経験学習理論の教訓化に近いものがあると考えます。シーグラーの研究を考察する中で、子供達の勉強面だけでなく、生き方の面での知的発達も教訓化により促進できると感じました。具体的に用いるのはビジョンセッションのマイルールです。マイルールは勉強面における目標達成のためのルールとして決めることが多いのですが、「モチベーションが下がったとき」「親とうまくいかなかったとき」「目標を見失ったとき」など、各分野で自分なりのプロダクションルール(マイルール)を作り実践することがライフ全体の成長につながるはずです。以前も同じようなことを考えていましたが、あらためてVSに取り入れていきたいと感じました。
(694字)

宗興の本棚

第105週『死ぬこと以外かすり傷』

第105週
2019/8/11
『死ぬこと以外かすり傷』
箕輪厚介著 マガジンハウス

麻野君の著書にも出てきて、ラジオでも名を聞いた編集者箕輪氏。刺激的な題名も興味をそそり、搭乗前に手に取りました。

内容は箕輪氏の仕事論です。全体のトーンは、熱く疾走がある本。しかし、爽やかとは程遠いドロドロとした毒気を感じるものです。いわばネパールやベトナムのような発展途上国の土埃が舞う猛暑の中、汗だくで駆け抜ける、そんな本です。刺激があり、心を揺さぶられました。

本書は「情熱の先にある熱狂」の一つに集約されると感じます。

『マスにヒットするコンテンツというのは、突き詰めると特定の誰か一人に鮮烈に突き刺さるものだ。』

『実力がある人間など世の中に掃いて捨てるほどいる。しかし、上位1%の本物の天才以外は換えの効く存在だ。』

『僕より編集という技術が上手い編集者などごまんといるだろう。しかしムーブメントを起こし熱が生むことができる人はほとんどいない。』

(いわゆる成功者を見るとき、間近で見ていていつも思う)『「これだけ血の滲むような圧倒的努力をしていたら、そりゃ成功するに決まっているわ。」と。』

『まずは何かに入れ込め。周りが引くくらい没入して、夢中になって、一点突破で突き抜けろ。』

『努力は夢中に勝てない。』

『目の前の仕事に熱狂し、本なんて書く時間のない人を強引に口説いて本を書かせたい。問われるのはその1冊が誰かの心に深く突き刺さるか。』

私が琴線に触れ、線を引いたこれらの言葉の底流にあるのは「熱狂」です。企業でも咲心舎でも清瀬でも「情熱が大切でその方法がビジョン設定です」と私は伝えていますが、情熱のその先に熱狂があることを本書は教えてくれました。私自身、起業して3年は夢中でした。そこから少し落ち着いた3年を過ごし、ありがたく充実した日々を送れています。ただ、今熱狂に憧れる自分がいます。

これからも自分が停滞した時に読み返し、そうだったそうだったと心を揺さぶり奮起を促す劇薬。そんな本でした。
(800字)