週の風景

022 盛りだくさん

先週も盛りだくさんの1週間でした。

火曜日は3回シリーズの新卒研修を任せて頂いている企業様への2回目の報告を行いました。その中で人事担当の一人である新卒4年目の方のお話は大変ありがたい気づきとなりました。

それは
「君たちの代は〇〇だから、もっと頑張れ的に言われても新卒はピンとこない」
とのこと。

同期皆で発奮して頑張ろうという時代ではないのです。より「個」をみることです。

水曜日は執行役員層へのリーダーシップ研修4回目。ノウハウを十分に活用してぐんぐん進む人もいれば、まだ上手く活用しきれない方もいて、進度の個人差が少しづつ出てきています。ただ今回は「全員を引き上げる」ことを目的としているので、粘り強く一人一人への最適な形を模索していきます。いよいよ次回は自部門の2022ビジョンの発表で、クライマックスです。

木曜日は大変お世話になっているJBS社牧田副社長が代表理事の一般社団法人社会システムデザインセンター(SSDC)の開所式に伺いました。産学協同でITを通じて社会課題の解決を目指す法人です。SSDC設立にあたり個人的に牧田副社長の強い想いをお聞きしており、私も何かしらの形で協力していきたいと思っています。やはり一人の想いから全ては始まります。皆様にも是非HPを御覧になって頂ければ幸いです。
https://ssdc.ai/

また木曜日、金曜日は咲心舎のビジョンセッションがあり、特に中3は「なぜ勉強するのか」の最終回でした。咲心舎で200時間以上の勉強を越えた中3。とことん勉強と向き合うことで、決して一人ではこの勉強量と成長は実現できなかったことを実感します。そして、初めて自分が社会に支えられて勉強をしていることに気づきます。この体験をふまえ、なぜ勉強するのかの「自分解」を出してもらいました。

今週は日本政策学校同期と会食や、マネージャー研修の最終回、清瀬VSの制作など、引き続き盛りだくさんです。本当にありがたいことです。

宗興の本棚

第108週『大学』

第108週
2019/9/1
『大学』
宇野哲人全訳注 講談社学術文庫

私が私淑する人物は二宮尊徳翁です。尊徳翁の生き方に少しでも近づきたいと、報徳記をはじめ毎日触れています。その尊徳翁が幼少期、薪採りの往復時に読誦したと言われるのがこの『大学』です。尊徳翁の思想・行動の深奥をより理解をしたいと考え、本書を手にしました。

本書は儒教の政治思想の根幹を簡潔にまとめた書です。ただ為政者の心構えに止まらずむしろ人としてのあるべき心構えを述べている私は感じました。以下に印象深い章を4つ列記します。

『大学の道は明徳を明らかにするに在り、民を親たにするに在り、至善に止まるに在り。』(経一章)

『大学』の三綱領は、明徳・親民・止至善です。明徳は人が生来もっている立派な本性を指しており、外物に接して私欲の念が起こるが故に、明徳を取り戻す必要があると解釈できます。性善説的な考えに光が見えます。

『物格って后知至る。知至って后意誠なり。意誠にして后心正し。心正しくして后身修まる。身修まって后家斉う。家斉いて后国治まる。国治まって后天下平らかなり。』(経一章)

これは『大学』の八条目を表している文で、格物→到知→誠意→正心→修身→斉家→治国→平天下となっています。そして明徳は格物から修身までを行うことにより、実現するという位置づけになっています。格物到知という真理の探究がスタートになり、結局国を治めるにも一人の人間の探求(謙虚さ)と誠意から始まることが印象的です。

『所謂その意を誠にすとは、自ら欺くなきなり。』(伝六章)

誠実であるためには、自らをごまかし、本心を欺いてはいけない。しかもそれが分かるのは自分のみであり慎独せよという言葉です。ブルームウィルの社是「まっとうに誠実に」を追求していくのに身に沁みました。

『所謂国を治るには必ず先ずその家を斉うとは、その家教うべきからずして、能く人を教しうる者はこれ無し。故に君子は家を出でずして、教えを国に成す。』(伝九章)

自分の家さえ教えることができないのに、国を治めることはできない。身を修め家を教えることができれば自然に一国の模範となり国民が皆その徳に感化されるということです。社会を良くする前に、自分とその家族を良くしていく、というのも身に沁みます。何が起こってもまずは自分と家族と向き合うことです。
(935字)