週の風景

024 ミドルは抱えるもの

先週も中々盛りだくさんの週でした。

火曜日は、eコマース企業様のマネジメント研修3回目でした。成果はこれからですが、例年より皆様の実践度合いが高い気がしていて、こちらも人事の方の転移策が奏功していると感じます。ありがたいです。

水曜日は、ファンド企業の社長様へ新卒のインタビュー報告でした。大切に育てたいという社長様の想いを汲みつつ、健やかに育って欲しいと願うばかりです。

木曜日の午前は、IT企業様へリーダーシッププログラム(LSP)最終回でした。1年間共に走ってきた3期の皆様にまずは心から感謝です。サーベイ結果からも皆さん大きな変化が見られ、1年間の修行を越えた顔には清々しさを感じます。中でも一人難しいかなと思っていた方が、進化レベルで変化したことをアウトプットや言動から私の感覚で感じました。これまで積み重ねた価値観を越えて、あらたな価値観に変容していくには、やはり葛藤と心的痛みが伴うはずです。自分と向き合って越えたその方から勇気をもらいました。

午後は、昨年LSPを卒業した2期の方々へ年一回のサーベイを使った内省プログラムでした。ミドルマネジメント職というのはどこも抱えているなと感じます。狭間になり一番苦しい立場かもしれませんね。せめて私だけでも寄り添い、次へのエネルギーにしてもらえればと思いじっくりと対話をする中、ぐっと肩にのっていた重いものが段々和らいでくるのが分かりました。キーワードは、我慢せず都度伝えていくこと。我慢するとどこかできますよね、やはり。

今週は前半最後の清瀬VSがあります。下期も走り続けます。

★お知らせ
9/21(土)PEACE DAY2019開催!@海浜幕張

敬愛するLIFULL井上さんが代表理事で進めるPEACE DAY2019がいよいよ今週末にあります。
私達も特別会員として協賛しています。

東京の皆様には少し距離がある場所ですが、是非日頃の喧騒を離れ、「平和」を感じる1日に。
私も子供を連れて参加予定です。

URL:https://peaceday.jp/2019/

宗興の本棚

第110週『世界基準の「部下の育て方」』 田口力著

第110週
2019/9/15
『世界基準の「部下の育て方」』
田口力著 KADOKAWA

著者は元GEの日本・アジア地域の経営幹部育成プログラム責任者。世界基準のリーダーシップの知見を深め、私達のリーダーシップトレーニングに活用したいと考え書店で購入しました。

新たに取り入れたいと思った項目を5つ書きます。

一つ目は、リーダーの姿勢です。管理職や経営幹部が部下育成に関してまず行うべきは、自分自身が積極的に学ぶ姿を見せることであると筆者は言っています。実際にGEではCEOのジェフ・イメルト氏が30万人の社員の中で最も熱心に学んでいたそうです。私達も人材育成の必要条件として、まずマネジメント職自身が学びその姿勢を見せることと伝えており、私達の考えを補強できる内容です。「謙虚な学習者」という言葉が素晴らしく、研修で使っていきたいです。

二つ目は、インスパイア&エンゲージメントです。GEでは2012年から、リーダーのミッションとして「インスパイア」(鼓舞する)を中心に据えているそうです。「モチベート」(動機づけ)は当たり前で、メンバーを鼓舞し、毎日ウキウキしながらスキップして出社するぐらいのメンバーを増やせるかが重要視されているとのこと。エンゲージメント(従事没頭)してもらうために、このインスパイアという視点は有効であること。会社と自己の成長のためにメンバーに投資してもらう、というサポーターの観点が欠かせないことに気づきました。更に手法論も参考になりました。

三つ目、アッペルバウムのAMO理論(Applebaum et al, 2000)。好業績を上げている職場は、Performance=Ability×Motivation×Opportunityとのこと。興味深い理論であり、もう少し掘って調べてみたいです。特に鍵はOpportunityではないかと感じています。

四つ目は、キャリアフィットモデル。メンバーの現在とこれからの職務を想定し、メンバーの価値観×興味・関心×スキルの3つの軸でみていく。そして価値観と適合する職務であれば「コミットメント」が生まれるとあります。私達もビジョン作成時に価値観を土台にしてもらいますが、そのことの補強ができました。また、メンバーのキャリア形成に悩むマネジメント職にもこのモデルを紹介したいです。

五つ目は、フィードバックのSOIモデル。メンバーに良し悪しをフィードバックする際に、Standard(部下がすべきことの明確な基準・期待を示す)、Observation(行動や発言をできるだけ客観的に述べる)、Impact(部下がとった行動や発言がどのようなインパクトがあったのか)の順番が大切ということです。S(基準)を伝えずに、O(観察)やI(影響)から入るマネジメント職も多いと感じます。メンバーに納得してもらうには、分かっているという暗黙的な認識に期待せず、丁寧にSから伝えることの大切さ私自身も痛感しています。
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