第133週
2020/3/1
『勝ちスイッチ』
井上尚弥著 秀和システム社
ボクシングは子供の頃から好きなスポーツの一つです。川島選手、畑山選手に魅せられ、最近だと長谷川選手に注目していました。ただ、これら歴代のチャンピオンの中でも群を抜いて強いと感じるのが本書の著者井上選手です。一流を越えて超一流に迫る彼が、何を考え、どう歩んできたか興味があり手に取りました。
井上選手がここまで強い一つの理由は、間違いなく練習量にあります。動画で井上選手の練習風景をみたことがありますが本当にハード。このような地味でハードな練習を継続するのは並大抵ではありません。本書購読の目的の一つに、継続できるモチベーションはどこから湧くのかを知りたかったのですが、結論は「チーム井上の存在」だと感じました。『井上家はボクシングを通じて、その絆を深めてきた。苦しみも喜びもみんなで分かち合ってきた。井上尚弥という人物は、両親がいて拓真がいて浩樹がいてこそ成り立っている。だからこそ負けられないのである。』という言葉に全てが詰まっていると思います。私も苦しい時に、応援して頂いている方々の顔や「言葉」を浮かべ、立ち上がってきました。何度助けられたか分かりません。「早く行きたいなら一人で。遠くに行きたいなら皆で。」琴線に触れるとても好きな言葉です。
井上選手を形作ったのは、お父さんの育て方が大きいと感じました。本書には幼少期から二人三脚で歩んできた父真吾さんの教えが所々に出てきます。例えば、『他人と比較する必要はないんだよ。他人を羨むんじゃないよ』というお父さんの教え。これにより、井上選手は人を嫌いにならないそうです。「人を嫌いにならないにはどうするか?」と聞かれた時の答えは、『「自分を好きになることだろう。自分に自信をもち、人を羨ましいとか、他人との比較をしないこと」別章にも書いたが父の教えがそうだった。』と書いています。我が子である実来と宗真に何を教え、伝えていくのか、あらためて自身の言動を振り返るきっかけとなりました。早速、真吾さんの著書も買いました笑。
(834字)