宗興の本棚

第149週『1分で話せ』

第149週
2020/6/29
『1分で話せ』
伊藤羊一著 SBクリエイティブ社

40万部突破した本書。ベストセラーから「筆力」を学ぶという目的で、購入しました。

【読者として】
是非取り入れたいと思ったのは「『超一言』で包み込む」です。

著者は、ソフトバンクアカデミアで孫社長にEコマースの戦略のプレゼンをしました。その際、納期を明確にする戦略を「きっちりくるから『キチリクルン』というモデルです」と説明しました。すると15人のプレゼンの後、「君の『キチリクルン』、いいねえ~」と孫さんが声をかけてくれたとのこと。人はキーワードで覚えてくれることを学び、この時以来、自身のプレゼンに「超一言」のキーワードを入れるようにしているそうです。

自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す。これは私自身、今一番鍛えたい力といっても過言ではありません。

【書き手として】
二つのことに気づきました。

・そもそもコミュニケーション領域は強いニーズがある
60万部を突破している『伝え方が9割』もそうですが、コミュニケーション、特に伝える領域は本当にニーズがあるのだと感じます。ニーズがあるというのは、それだけ困っている人が多いということです。ベストセラーになる本は、多くの人に共通する悩みや困りごとにリーチしているものだと感じます。

・とてつもなく平易な文章
本書は、読みやすく、とにかくページが進むこと進むこと。その理由は平易な文章にあると感じます。平易とは「たやすく理解できる」こと。難しい言葉はほとんど用いず、また例やエピソードを多用し、とにかく読みやすくしています。著者の方の学歴や職歴をみると相当インテリジェンスが高いことが伺えますが、その知性や教養を引けらすことなく、できるかぎり平易に書く。だから多くの人の届くのだなと思いました。
(717字)

宗興の本棚

第148週『無敗営業』

第148週
2020/6/22
『無敗営業』
高橋浩一著 日経BP社

日経ビジネスの広告に何度も掲載されている本書。営業テクニックを体系的にまとめた本はあまりないため、あらたに営業組織を築く際の材料になるかと思い、手にとりました。

4つのことが印象に残っています。

一つ目は、お客様にとって営業は「ズレない」=「わかってくれる」ことが何より大切ということです。私は、初回や二回目など提案前の場面では、とにかくその企業様を理解することに努めます。お客様が真に目指したい姿や、深層の悩みが分かれば、的確な提案ができ信頼を得ることができるからです。「わかってる営業」もしくは「ズレない営業」になれるかどうか、営業部隊の合言葉にしても良いぐらいです。

二つ目は、営業状況の種類分けです。著者は案件や商談を「楽勝・接戦・惨敗」の3つに分けています。そして、強い組織に至るには「接戦」を勝ち抜く筋力をつけることが必要というのは同感です。案件を常に3つに分け、接戦の戦略を練ることや、惨敗案件をかぎ分けることはとても有用であり、また提示されていた既存顧客リテンションチームにも、新規顧客開拓を課すことも組織全体の営業力を高める良策だと考えます。ただいくら社内用語であれ「楽勝」というのは、お客様に失礼です。社内での使用言語が社員の考えや行動を規定するため、私であれば「相愛」という言葉を使います。

三つ目は、「決定の理由」ではなく「決定の場面を問う質問」を聞くというのは、是非取り入れたいです。「どんな場面で、心がぐっと動いたのでしょうか」という質問はいつ・何が必要だったかをより具体的に浮き上がらせると感じます。

四つ目は、この著者の「執念」の凄さです。著者は12年前あるIT系企業に対する20社の大型コンペで敗れました。どこが受注したのかお客様から教えてもらえなかったのですが、3ヶ月色々なツテをたどり、敗れた相手を見つけ出し直接会いにいったそうです。また、以前は失注したとしても「100%決定かどうか」「再提案させてくれないか」と必ず粘ったそうです。ある分野でプロとしての立ち位置を確立している方は、こういった「執念」があるのではと感じました。
(878字)

宗興の本棚

第147週『一番になる人』

第147週
2020/6/15
『一番になる人』
つんく♂著 サンマーク出版

今年のテーマである筆力強化。筆力を高めるには、根本のメッセージや、構成だけでなく、「人の心を動かす言葉」が必要であることを知りました。おもしろい言葉、目を引く言葉、刺さる言葉、そういった言葉のテクニックが詰まった本ということで、オススメされていたのが本書です。学生時代、モーニング娘。のファンだったので、つんくさんは知っていましたが、まさかつんくさんの本を手に取るとはという感じです。

【読者として】
特に響いたのは、「売れる人を徹底的に分析する」ということです。

「売れなかった二年間。僕は必死で『売れる音楽とは何か』を研究しました。」とあります。150万部以上売れたコンマリさんを世に出した名編集者、高橋朋宏さんが「ベストセラーを徹底的に分析した」と仰っていたことがすぐに頭に浮かびました。また、綾香さんやYUIさんを世に出した音楽プロデューサー西尾芳彦さんも、ヒット作を徹底的に分析したと仰っていました。やはり売れるものを生み出す方々は、売れているものを分析し、独自の「ヒットの法則」を編み出しています。

【書き手として】
伝えたいことを、伝わりやすく書く力をひしひしと感じました。まさに「人の心を動かす言葉」をもっている方だなと感じます。身に着けたいと思う点は二点です。

・オリジナルかつ目をひく言葉
「教室内ニッチ」、「勝負パンツをいつもはいておく」、「『四位』こそが大衆のなかの一位」、「エネルギー業者」、「サクセスストーリーはピンチ―ヒッターから」等。これだけで「おもしろそう」となりました。

・身近でリアルな言葉
つんくさんの歌詞は、非常に身近でリアル。いつも秀逸な歌詞だなと感心していましたが、「ヒントはいつも自分のいちばん近いところにある」とあり、その謎がとけました。

ちなみにお気に入りの歌詞は、
「選挙の日はうちじゃななぜか、投票行って会食するんだ~」(モー娘。『ザ・ピース』)
です。あまりこういう家庭はなさそうだけど、リアリティがあり絶妙です。

この本でも、「売店のおばちゃん」や「おしゃれな中学二年生」、「『チャック空いてるで』と言われるやつ」「我が家の手伝い」など、誰でもイメージができる「身近な」シチュエーションが頻発します。

要は、読者に寄り添い言葉を生み出すことです。プロは凄い!
(945字)

週の風景

060 一旦の区切り

先週はプログラム制作週でした。この5ヶ月で入れてきた知見を、新コンテンツとしてどんどん投入した感じです。参加者の方々がどんな反応するか、ワクワクしますね。

さて、1年半ぐらい続けてきた週の風景ですが、今回で毎週のUPは一旦お休みにします。

というのも、これまで本ブログは「ライフスキル教育」を主題にしてきましたが、3月末で塾を譲渡、NPOの活動も休止し、子供向けライフスキル教育に一旦区切りをつけました。そのままブログは続けていましたが、本ブログの風景も区切りをつけることにしました。

これまで読んで頂いた方々に、心から感謝しております。
本当にありがとうございました。

ただ、これで終わりではなく、現在ライフスキル教育にかわる、新たなコンセプトと仕掛けを策定中です。その時まで英気を養い刀をしっかり磨いてまいります。

また「宗興の本棚」は続けていきます。何かしら皆様のお役に立てば幸いです。

多くの方々に支えられてここまできました。感謝は尽きません。
重ね重ねになりますが、本当にありがとうございました。

宗興の本棚

第146週『深夜特急1 香港・マカオ』

第146週
2020/6/7
『深夜特急1 香港・マカオ』
沢木耕太郎著 新潮文庫

コロナで外出自粛が続く中、ふと新聞に「今だから読みたい本」なるものが載っており、そこの上位にあったのが本書です。この本を読んで旅に目覚めた人は数知れずと言われる超有名本。いつものビジネス本ではなく別角度からの新鮮さが欲しくて、新聞に促されるまま手に取りました(若干ネタバレあります)。

この本が、なぜ人々をこれほど魅了するのか。

それは「真剣に酔狂なこと」をしているから、という一言で表されると思います。

「ほんのちょっぴり本音を吐けば、人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実をきわめることもなく、(中略)まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかし、およそ酔狂な奴ではなくてはしそうにないことを、やりたかったのだ。」と著者は言っています。

酔狂とは、辞書で引くと「普通は人のしないようなことを、好んですること。ものずき。」とあります。この本の中毒性は、著者が酔狂を追い求めたことにあるのだと思います。

1巻で印象に残った酔狂な場面が3つありました。

まずは、ニューデリーの鉄道駅の旅行案内所へ行った場面。「アムリトサルにバスで行きたい」と著者がいうと、係員に鉄道で行けと言われる。押し問答を繰り返し、そのうち鉄道の方が「ベターで、カンファタブルで、ラピッドで、セーフティーだ」と係員がむきになり大声でまくし立てるように言う。それでも筆者が「でも、バスで行きたい」と主張します。

次に、香港についた初日、いかがわしい宿に泊まる場面。「面白そうだな、と思った。このいかにも凶々(まがまが)しくいかがわしげな宿の窓からは、絵葉書的な百万ドルの夜景も国際都市の活気あふれる街並みも見えなかったが(後略)」
「理性的に判断すればこんな宿に泊まるべきでないことは明らかだ。危険を覚悟しなくてはならない。(中略)とにかく、ここには私の胸をときめかせる何かがある。」

最後に、マカオでカジノにのめりこみ、負けても「どうしても取り返すのだ・・・」と、あきらめないでしつこく勝負にいく場面。どんどん負けが込んでいく中で、持ち金が減って旅が続けられないぐらいまでに。しかし、最後にカジノの法則を読み、負け分を取り返します。

特に、最後のカジノの章は、バカだなと思いました。無一文で旅を続けるのだろうかと、読んでいてハラハラしました。しかも、負け分を取り返し終わりかと思ったのですが、まだありました。

「香港に帰ろう」とホテルに戻って荷造りをするものの、船をまっている時間に、「得体のしれない荒々しい感情に衝き動かされそうになった。」「やろう、とことん、飽きるか、金がなくなるまで・・・足は聖パウロ学院協会に近い船上カジノへと向かっていた。」と、再度カジノで勝負をします。

読んでいて、絶望に近い感覚におそわれました。勝てるはずがないのに、完全にバカだなと。あきらめに近い境地でしたが、どんどんページは進みます。

そもそもデリーからロンドンへバスで行く事自体が酔狂です。日常からかけ離れ、自由に普通ではやらない体験をする。少し危険を伴うようなこれらの体験が、自身の中にある冒険心や解放の欲求に触れてくるのでしょう。

どこかで2巻を読み、いつかのアジアの旅に胸膨らませたいです。
(1322字)

週の風景

059 家族で映画ベスト3

ありがたくも忙しい日々は続いています。
先週は月曜日に嬉しい連絡が。開始延期になっていた携帯代理店様の店長マネジメント研修を、7月から開始したいとご連絡を頂きました。

決まっていた研修は4月から全てオンラインで再開・開始しておりました。あとは店舗系の会社様だけ、店舗が休業か短縮営業ということもあり、開催が出来ていませんでした。「ブルームウィルさんの研修は本当に大切で、今年も受けさせたいんです。」という部長のお言葉は本当にありがたいです。今年も皆様の成長と収益向上に、力を尽くします。

さて、今日は家族ネタを書きます。仕事だけでなく、少しづつ家族ネタも載せていこうかなと思います。

他の家庭でもそうだと思いますが、我が家ではコロナで自粛の3ヶ月は子供との共同活動が増え、家族の絆が深まった期間でもありました。
通常時とは違う活動の一つに、週2回の映画鑑賞会があります。基本私と相方が観ておらず、アニメ以外、エログロなしのものを探しながら計25本観ました。

娘(小6)のベスト3
1位ギフテッド
2位ワンダー
3位プーと大人になった僕

穏やかでしっとりしたものが好きなようです。

息子(小3)のベスト3
1位キングダム
2位グーニーズ
3位チャーリーズエンジェル

はい、全てアクション系です<笑>。4位はおそらく『ベスト・キッド』か『アベンジャーズ』。

ちなみに、二人のワースト1位は・・・
『今を生きる』
です。かなりぐっとくる名作なんですけどね。
バッドエンド的なものはまだやはり受け入れが難しいようです。

相方のベスト3は、
1位ギフテッド
2位ワンダー
3位ドライビングミスデイジー

ワンツーが娘と一緒というのは一体??

最後に、私のベスト3は下記です。
1位シザーハンズ
2位最強のふたり
3位ギフテッド

1位と3位はボロ泣きでした。

作品選定で役立ったサイトを載せておきます。

「親子で楽しめる!子どもにおすすめの映画10選(ジブリやディズニー以外)」

親子で楽しめる!子どもにおすすめの映画10選(ジブリやディズニー以外)

「子どもが13歳になるまでに見せておくべき映画55本」
https://eiga.com/news/20140710/2/

緊急事態宣言アゲインで学校が再休校にとなったときなど、是非ご一緒に観てみてください。