第171週
2020/12/6
『カモメになったペンギン』
ジョン・P・コッター/ホルガ―・ラスケバー著 藤原和博訳 ダイヤモンド社
コッター教授の『企業変革力』で提唱されている八つの変革プロセス。これを寓話にして、分かりやすく説明したのが本書です。名著と言われる『企業変革力』を読む前に、要諦を把握しておきたく、手に取りました。
ペンギンたちが実行した八段階の変革プロセスは下記です。
①危機意識を高める
②推進チームをつくる
③ビジョンと戦略を立てる
④ビジョンを周知する
⑤メンバーが行動しやすい環境を整える
⑥短期的な成果を生む
⑦さらなる変革を進める
⑧新しいやり方を文化として根づかせる
二点程、ポイントと感じる部分を書きます。
まず、物語を読む中で、最大のポイントは①危機意識を高める、だと感じました。
これまでペンギンたちは、問題が起きた時、混乱をさけるべく有効な策が見つかるまで情報統制をしいてきました。しかし今回、ペンギンたちは自分たちのコロニーに危機が迫っていることを、全体集会を開き共有します。勿論、その後のプロセスも重要ではあります。ただ、「解決策が分かっていない中でも」勇気をもって早めに危機を共有することが変革成功の鍵であると感じます。
もう一点は、訳者藤原和博さんの後書きにあった「最初の5人」です。「『立ち上げ』でも『再生』でも、最初に関わる5人の人選が、プロジェクトの命運を決める」と藤原さんは仰っています。
最初に危機意識をもったフレッド。
積極的で実務ができ、意志の強いアリス。
カリスマリーダーのルイス。
コミュニケーションと癒しの達人のバディ。
専門家のジョーダン。
これら個性や能力が違う5名がいたからペンギン達は危機を乗り越えました。
ふと、二社目のリンクアンドモチベーションのことを思い出しました。カリスマリーダーである社長の小笹さんをはじめ能力と個性の異なる方々で立ち上げ、一気に事業を拡大していきました。
大事を成し遂げていくには、少なくとも4名の仲間を募り5名が必要。なるほどと何度も頷いてしまいました。
(792字)