宗興の本棚

第187週 2021/4/24 『生き方革命』

第187週
2021/4/24
『生き方革命』
橋下徹 堀江貴文著 徳間書店

面白い尖った考え方をされる二人の著書。直感的に手に取りました。

二人から一つづつ、一番印象に残った点を挙げます。両方とも「学び」の分野でした。

「問題はスマホを手放せない子どもではなく、スマホをうまく活用している姿を見せられない大人にあるのではないか。」

堀江さんについては、この一文がささりました。まさにその通りだと思います。今年中1になる娘に親が示す必要を感じていたので、年初から自分は21:00にスマホを消す、将棋アプリもやらない、と宣言していました。自分でルールを作ることを含め親が示せば、スマホは効率的に学べる、世界も広がる素敵なツールとなります。

「『学ぶ力』を学んでほしいということになるだろうか。禅問答のような回答だが、これは子どもに限らず、大人になってからも重要な力だ。」

橋下さんについては、この一文です。学ぶ力を学ぶ、ということに共感はしていましたが、何か明確な学ぶ要素を打ち出したい気持ちもあり、自分で結論を出すのは保留していました。21世紀学び研究所の代表熊平美香さんが広めているOS21の考えに通じるもので、今回腑に落ちた感じです。

「学ぶべきことをわかっていること」が自分の強みであると橋下さんは言っていますが、ビジョンと興味関心に沿い学びたいことを3年計画ぐらいで考えてみようと思います。

その他に、二人の共通点でもある持論のアウトプットを常に行うこと。歯医者さんに行くこと(堀江さん)、お金のリテラシーを高めることも(橋下さん)取り入れていきたいと考えました。

最後に、この二人は根本的な価値観を示しており、そこが議論の出発点となっています。
堀江さん「自分の時間こそが、人生において最も貴重なリソースなのだ。」
橋下さん「人や企業を元気にするために原則は、高い流動性だ。」
二人の考えに触れる際、この軸を分かっておけば、とても理解がしやすくなると感じています。
(787字)

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第186週『報徳生活の原理と方法』

第186週
2021/4/18
『報徳生活の原理と方法』
佐々井信太郎著 一円融合会刊

日課の一つに「師」とする方の書籍を読み、心を磨くことをしています。私淑しているのは二宮尊徳翁です。4年前ぐらいから毎日尊徳翁に触れるようにしています。

今回は尊徳翁の研究実践の第一人者である佐々井先生の著書です。報徳仕法をどのように、現在の生活に取り入れていくのか、より探究したく手に取りました。

今日の一文はこれです。
「現在勤労していること自体が嘉悦の生活である。勤労するということは、埋もれた徳を掘り出し、潜める徳を浮き立たせ、そうして勤労する人自身は適応した活動をして、生きているものの快さを味わう徳の発揚であって、それがまた先祖以来の業を受け継ぎ、あるいは現代文化から創造生活を開びゃくすることになる。」

徳に基づいてその特性を表現することは、勤労をすると同義になります。「勤労こそ人生の生きていく目的」と佐々井先生は言い切っています。そこまでの境地には立てていませんが近いものは感じており、仕事が楽しく死ぬときぐらいまでずっとしていたいと思っています。それは社会人になって以来、仕事を通していきがいややりがいが得られ、心から楽しいと感じるからです。

報徳生活をすることは、勤労をすること。難しいことではない。今のままで良いのだとあらためて感じました。

また、一切の衆生に特性があると尊徳翁は仰っています。勤労をすることでその徳に触れた方の徳性が現れ、また別の人に特が伝わり・・・という輪廻をしていく。尊徳翁は仕法の反対者の徳性をどう示現させるかを考え実行した結果、桜町の「全村民はそれぞれの天分の徳に基づいてその特性を表現すると、一家の貧困者なく、明治初年まで四十年間一人の犯罪者も出さなかった。」そうです。「自責」から更に進んだ考え方であり、新たな言葉を考えたいです。
(735字)

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第185週『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』

第185週
2021/4/4
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』
八木仁平著 KADOKAWA

今年のテーマの一つは「自己分析手法の深化」です。「フロー」の状態を生み出すには、心底(しんてい)からエネルギーが湧きあがる人生や仕事の目的を、自ら設定する必要があります。その目的はひらたく言えば、自身が「やりたいこと」です。真に「やりたこと」が設定できると「内発的動機の凄いやつ」が生み出されます。

真に「やりたいこ」に辿り着く手段として、自己の価値観を明文化するプロセスは重要です。より一層「内発的動機付けの凄いやつ」を生み出しやすくするための、「ワーク」や「問い」がないか。その第一弾として手に取った本です。

一番良かったのは価値観のランキングで、とても新鮮でした(そもそも本書の価値観の定義は「大事なこと」です)。通常、価値観の抽出ではします。そこにランキングをつけて整理するのは、より自分が重きをおく価値観が分かるので良い手法です。本書に沿うとランキングというより、進行表のような感じでも整理できます。

私の場合、価値観を出してみた後、ランキングをつけると、
①自尊→②思いやり→③受容・寛容→④希望・情熱→⑤自由・創造→⑥真理
となりました。

より具体的な解釈を入れると、
①自分の存在を尊び感謝をすると
→②人の役立ちたいという思いが溢れ
→③様々な価値観を受け入れることができ
→④より多くの人の役に立ちたい、つながりたいという希望や情熱がわき
→⑤我欲に囚われずに自由な発想で創造することができるようになり
→⑥真理にまた一歩近づく
という、ストーリのような整理の仕方ができました。
人生の目的が「真理(の探究)」にあることは分かっていたのですが、おおもとで今大切にしたいことは「自尊」であることに気づいたのは収穫です。

プログラムにランキングを上手く組み入れるイメージも湧きました。次のプログラムがとても楽しみです。
(752字)