第197週
2021/7/3
『習慣の力』
チャールズ・デュヒッグ著 渡会圭子訳
『ザ・ゴール』に続き、LIFULL社外取締役の中尾さんが必読書と薦めていらっしゃったので手に取りました。
一番印象に残ったのは「キーストーンハビット」です。ある一つの習慣を変えることで、他の行動にも影響を及ぼし、様々なことが変わっていくことがあります。「キーストーンハビット」はそのような重要な習慣のことを指します。ボウリングの頂上ピンですね。
この「キーストーンハビット」について冒頭34歳の女性の事例が書かれています。この女性は16歳で喫煙と飲酒をはじめ、ずっと肥満に悩まされ、20代半ばに1万ドルの借金を抱え、仕事も1年以上続かなかったそうです。その女性が国立衛生研究所のプログラムに参加し劇的に変わります。
きっかけとなったのはカイロへの旅行。これを機に彼女は禁煙をします。禁煙することで、ジョギングを始めるようになりました。そうすると、食生活や、働き方、睡眠、貯金の仕方も変わり、仕事のスケジュールもきめ、将来の計画を立てるようになりました。大学に戻り、婚約し、研究者の目にとまりスカウトされました。彼女の人生は完全に変わったのです。
そして彼女の脳の画像分析によると、新しいパターンの神経活動が古いパターンより優先されていることが分かったそうです。
ビジネスや生活をつくり直すために、特に重要な「キーストーンハビット」。様々なことを試しながら「キーストーンハビット」を見つけたら、更に成長できますね。
ちなみに、2006年デューク大学の学者が人間の日常行動の40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」であるという論文を出したそうです。これは「習慣を変えれば人生が変わる」という格言の科学的根拠になりますね。また習慣が強力なのは、神経学的欲求を生み出すからです。
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