宗興の本棚

第200週『あなたの会社は、なぜDXが進まないのか?』

第200週
2021/8/1
『あなたの会社は、なぜDXが進まないのか?』
牧田幸弘著 幻冬舎

創業時から大変お世話になっている日本ビジネスシステムズ牧田社長初の著書です。日本企業に大きな可能性があるにも関わらずDXが進まない実情をふまえ、経営者のマインド変革を強く薦める内容になっています。

今回は3つのキーワードを挙げます。

1.「データドリブン」
牧田社長は経営者の間違った思い込みがIT活用を妨げていると仰っています。中でも「アイデアが出ないのは現場の工夫が足りないから」という思い込みを、牧田社長は「問題は社員の意識ではなく、情報環境です。」と喝破します。例えば、業務改善をしたい場合、好事例やムダな部分を効果的に分析できれば改善アイデアは浮かびます。データがあることで、仮説立案や検証もでき、新たなアイデアが生まれると私も思います。要は「データドリブン」であること。その重要性をあらためて認識しました。

2.「ゼロトラスト・セキュリティ」
誰からの、どのアクセスからも攻撃され得るという想定からセキュリティ対策を考えていく立ち位置のことです。「社内は安全、社外は危険」という発想から更に進める必要性を牧田社長は仰っています。初めて目にした言葉で、とても印象に残りました。確かに情報流出やウイルス拡散含め、含め社内だからこそ逆に危ないと考えることも重要とあらためて感じました。

3.DXの「X」
導入事例に出てくるセガサミーホールディングス・加藤執行役員の「D」よりも「X(トランスフォーメーション)」が重要というお話は心に残りました。「鍵となるのは、『何をやるか』ではなく、『どうありたいか』」と仰っているように、この部分を常に議論し、決めていくことが変化に対応していく本質的な策と感じます。
(697字)

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