第151週
2020/7/13
『超筋トレが最強のソリューションである』
Testosterone・久保孝史著 文響舎
筆力強化のためのベストセラー研究。累計50万部を突破している筋トレ社長Testosteroneさんのシリーズです。友人が「この本は愛がある」と薦められたことにピンときて、手に取りました。
【読者として】
まず読了後、本当に筋トレしたくなりました。特に印象的だったのは、筋トレによって人生が変わった方々の話(漫画)です。例えば、両親からの「医者になれプレッシャー」で強迫神経症になり、手の震えがとまらなくなった男性。ほぼうつ状態の中でTestosteroneさんの本を読み、ジムに通いはじめ神経症を克服した話は、涙腺崩壊ものの物語でした。これらの実例漫画には心を動かす力があります。
健康面で一つ役立ちそうな知識は、タンパク質についてです。摂取したものがエネルギーとして消費されることを「食事誘発性熱産生(ねつさんせい)」といいます。この熱産生がタンパク質が高いのです。脂質と糖質が摂取した量の7%がエネルギーとして消費されるのと比較し、タンパク質はなんと30%が消費されます。普段の食事においてタンパク質を増やすだけで、カロリーを多く消費することができるとのこと。早速、献立を考える際の参考になろうかと、妻に伝えました。「ビバタンパク質!」
【書き手として】
1.読みやすさ
ベストセラーの共通条件と思われる「読みやすさ」がここでも出てきています。本書は筋トレの効果を科学的根拠に結びつけて伝えるものであり、学術要素も多く出てきます。しかし、対話形式にする、ちょいちょいギャグを挟む、漫画を取り入れるなど、難しく感じさせない工夫がされています。
2.見出しがユニーク
「死にてえって思ったら筋肉を殺そう」「手首の代わりに筋繊維をカットしろ」「マッチョを雇用すべき4つの理由」「筋トレミクスの破壊的効果4選」「筋トレは優れた予防医学である」「ヤケ酒、ヤケ食い、ヤケ筋トレ」「スクワット侮辱罪で訴追される禁句」「筋トレオタクのタンクトップにまつわる誤解」等々、目を引く、ちょっと吹き出すような、ユニークな言葉が見出しに並んでいます。
より多くの人に届き、心を動かすには、工夫された読みやすさと磨かれた言葉が必要であることを認識させられます。
(909字)