第155週
2020/8/10
『大家族経営主義』
天外伺朗・西康宏著 内外出版社
「月曜日に行きたくなる会社」。
私が目指したい会社像です。次に組織を創り、経営をしていく上で何より社員を大切にし、社員が「月曜日に行きたくなる会社」を創っていく気でいます。
これまで社員の充足度は顧客の満足度と等価であると位置づけて経営をしてきました。しかし、今年1月のホワイト企業大賞授賞式を機に、更に社員を大切にし、月曜日に行きたくなる会社を作っていこうと決意しました。
私に決意させたのは、そこで見たある企業の取材動画です。社員の女性がインタビュー中に「月曜日に行きたくなる」と言ったのです。「本当に??」と衝撃を受け、「これだ!!」と強く共振をしました。その企業の名は西精工。徳島にある約100年続くナットのメーカーです。社員に「月曜日が嫌じゃない」と思ってもらうのさえ難しいはずなのに、「月曜日に行きたくなる」というのは凄いレベルです。そこから西精工という企業を調べ、辿り着いたのが本書です。心に留めておきたい二つの項目を記します。
1.経営理念の策定→べき論から解放
現社長の西さんが家業である西精工を継ぎに戻ってきたのは1998年です。当時の西精工は挨拶もなく掃除も行き届かない、どちらかというと暗い職場だったそうです。西さんは戻ってきてすぐに「会社の空気を変えたい」と立ち上がります。しかし、掃除と挨拶運動を行っても、冷ややかな反応が多数でうまくいきません。この頃毎日うなされていたそうです。
そこから、稲盛さんの影響を受け西さんは新しい「経営理念」を策定します。「社員の幸せ」を入れた経営理念を策定し、「目的は幸せです」と社員に正面切って宣言します。それ以来、嫌な夢は見なくなったそうです。「ああしなくてはならい。これがいけないんだ、という『べき論』から解放されたおかげです。」と西さんは言っています。そして自分が覚悟を決めて社員などを引き受ける姿勢にどんどんなっていったそうです。この西さんの変化により、社員が変化し、会社が変わっていきます。
やはり「月曜日に行きたくなる会社」には経営理念こそ最重要です。「社員の幸福」を経営理念に入れなければ、月曜日に行きたくなる会社は作れないでしょう。もっと言えば、「社員の幸福」を経営理念に記すことで一点の曇りもなく追求する信念が重要です。
2.全員参加の経営
西精工からもらったもう一つのヒントは全員参加の経営です。「月曜日に行きたくなる会社」は当事者として皆で経営に参画することがポイントと感じます。幾つか紹介された施策から発展させてやっていこうと思ったのは経営理念を社員と創ることです。次の会社も最初は私が創ります。しかし、3年後ぐらいに新たな経営理念を社員と共に作っていく。更にもう3年後に、また社員と見直していく。それはやっていこうと決めています。社員だけでなく他のステイクホルダーと共創するのも良いかもしれません。
あとは、直感的に幾つか発展させやってみようと思った事はありますが、もう少し深めてから取捨選択していこうと思っています。
(1243字)