宗興の本棚

第5週『いちばんやさしい教える技術』

第5週
2017年9月1日
『いちばんやさしい教える技術』
向後千春 永岡書店

「教える技術を身につける」
インストラクショナルデザイン(教え方のデザイン)を専門にする教育学の教授の著書。教える技術をシンプルに体系化し、とても分かりやすくまた、すぐに使いたいTIPSがある実用的な良書でした。

本書を通じて印象に残った所は二点あります。一点目は、教える事のゴールについて。「教えた」といえるのは、ただ単に「伝えた」ではなく、「伝わった」でもなく、「対象の人が出来ないことができるようになった」状態を指す。この点認識をあらたにした事は指導力の向上につながります。これに付随し、できるようになる事がゴールであれば、どのようになって欲しいかを示すことが必要です。しかもそれは、抽象的な事ではなく具体的な行動で示すことがポイント。例えば「思いやりを持って欲しい」ではなく、「老人に席を譲れるようになって欲しい」というように(願いではなく行動にする)。

二点目は、教えたい事を3つに分類し、それぞれ効果的な教え方が違うという事が印象的でした。教えたい事は具体的に「運動スキル」「認知スキル」「態度スキル」の3つとなります。これまで自分も何となく分けて教え方を変えていた気はしますが、ここまで明確に教え方を分けたことななかったです。特に「態度スキル」の教え方については、「確かに」とうなりすぐにでも実践しようと思いました。具体的には、態度を直接的に指摘すると反発を招くので、コーチング的に質問で促し、相手の頭にストーリーを作るやり方です。

今後の行動としては二点。一点目は必ず授業前にゴール・コツを明示すること。もう一点は、態度変容を促進するために、コーチングの技術を使っていくことです。教える人間であるにも関わらず、自身の指導体系が不明瞭なことは薄々感じていたので、とても役に立ちました。英克、浩子にもお薦めしたいです。

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