教育心理の部屋

第49回「教育の成果を評価する② 7章 児童・生徒をどう評価するか」

第49回
2019/2/9
「教育の成果を評価する② 7章 児童・生徒をどう評価するか」

【まとめ】
ルース・バトラー教授(Butler, 1988)は到達度評価的なフィードバックの有効性を示した。子供達に課題を行ってもらい、相対評価的な成績をつけて返す群と、良いところ、悪いところをコメントする群と分け、その後の課題遂行がどうなるか検討した。その結果、特に成績の悪い子供達では、コメント群で課題遂行成績が改善されていた。一方、相対評価的な成績をフィードバックされた群は遂行の改善が見られなかった。

【所感】
最近咲心舎において学力テストの結果が出ました。咲心舎内順位が出て、刺激という意味で順位を伝えるのも良いかと思いますが、この返却の仕方はあらためて注意が必要と考えています。というのも、バトラーの結果は、成績が悪い子供達は、相対評価的な成績を返すだけにとどめると、逆にその後の課題成績が下がることも示されています。

そもそも学力テストは自身の現状を把握し、次の成長につなげるものです。強みを伸ばす、弱みを克服するという点で、講師からのフィードバック(コメント)は必要なことと感じます。小6については、三者面談があるので塾生一人一人の課題を明確にし、今後の対策について保護者様、本人、私達の中で共通認識をつくることを行っています。その他の学年についても、本人任せにするのではなく、講師からのフィードバックを丁寧にしていきます。
(566字)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です