宗興の本棚

第67週『魔法をかける アオガク「箱根駅伝」制覇までの4000日』

第67週
2018/11/10
『魔法をかける アオガク「箱根駅伝」制覇までの4000日』
原晋著 講談社

箱根駅伝の優勝だけでも凄い事ですが、四連覇は偉業です。ただ元サラリーマン(営業マン)で指導者という所が自分と重なり、原監督の手腕への競争心で今まで著書を読んできませんでした。今年青学は全日本を勝ち二度目の三冠に届く所まで来ています。結果に脱帽しついに手に取りました。

なぜ、青学が箱根駅伝で優勝できたのか。それは「理念を元にした運営」を徹底したからと私は思います。その理念は「人間形成第一」です。
「人間形成が第一。どれだけ足が速くても性根が腐ってはダメ。」と原監督は言っています。当時の青学陸上部は、たばこ、パチンコ、麻雀など遊びにいそしむ学生が多くとても陸上に打ち込む体質ではなかったそうです。パチンコを禁止したらパチンコ台を持ち込んでいる学生もいるぐらいでした。まず寮の心得の三か条を明示しつつ、規則正しい生活から始めたそうです。

「一、感動を人からもらうのではなく、感動を与えることのできる人間になろう」
「一、今日のことはきょうでやろう。明日はまた明日やるべきことがある」
「一、人間の能力に大きな差はない。あるとすれば、それは熱意の差だ」

重要な採用(スカウティング)も人間第一を徹底しています。結果が求められる中で切羽詰まり記録で採ったところ、3ヶ月で退部という失敗経験も糧になっているそうです。厳しい状況の青学を優勝に導いた事は会社の立て直しと重なります。黒字化だけでなく会社の体質自体を変えていく。これは時間がかかることで、10年かかったのも納得がいきます。

読了し、やはり理念を徹底追及していきたいと心をあらたにしました。社是である「まっとうに誠実に」。これを私自身が率先して追求していきます。
(700字)

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第66週『千葉ジェッツの奇跡』

第66週
2018/11/4
『千葉ジェッツの奇跡』
島田慎二著 角川書店

企業理念をもとにした経営。私が志向することを著書の島田さんがBリーグの千葉ジェッツで体現しています。島田さんが関わった2011年には1試合平均1143人だった動員数が2017年には4503人にし、動員数No.1クラブになりました。そして2017年には天皇杯も優勝しました。厳しい状態だった千葉ジェッツをBリーグ集客No.1にした島田さんの言葉は力強く、説得力があります。

島田さんは「資金」「チーム」「集客」の三段階でジェッツを導きます。まず資金です。2011年のジェッツは、夢を語るがお金がない夢想集団でした。当時の代表を含めスタッフは皆バスケが純粋に好きだが現実的に運営の力がなく資金が底をつきかけ、明るい展望もない状態でした。島田さんはスポンサーに前倒しで支払いをしてもらうなど資金集めに奔走し、計画初年度から黒字化させます。「目標のためには何が何でもお金を集め、夢を語るのはその後でいい」という現実感と行動力が素晴らしく、弊社経営方針の二つ目「理念実現のために、マネタイズと数字を重視する」と共振する考え方です。咲心舎も各人が夢だけでなく現実に対応する力がついてきており、現在の路線を進めていきます。

次に、チームです。これは集まった資金で良い選手を獲得すると共に、チーム理念を作ったことが大きいと思います。ジェッツは「アグレッシブなディフェンスから走る」など、バスケスタイルやビジョン(行動指針的なもの)を作り、他のチームと差別化しています。咲心舎に重ねると、次のステップとして塾自体の理念を皆で再構築したいと思います。かねてから必要と考えていたので、本書で後押ししてもらいました。
(694字)

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第65週『研修転移の理論と実践』

第65週
2018/10/27
『研修転移の理論と実践』
中原淳 他著 ダイヤモンド社

研修研究の第一者中原淳先生の著書。クライアント企業様への成果を上げるためのより一層幅広い知見を得る目的で手を取りました。

3つのポイントを挙げます。まず、カークパトリックの4段階モデル(反応、学習、行動、成果)は外せません。研修評価はこのモデルが土台となり発展しました。特に行動変化の測定が一番難しく、最重要とカークパトリックも述べており、また他の研究でも「行動」に注目が集まっているとのこと。私は現場での行動が全てと捉えており、実践型研修のあらゆる要素はこの現場行動を促進するものです。この考えが学術的にも正しいと証明されたのは自信になります。

また、Saks&Burkeは「行動」段階での評価を研修事後に受講生に頻繁に行うことで、現場での転移が増すと結論づけました。事例としてヤマト運輸では、研修の3,4ヶ月後に現場実践度合いアンケートを実施し、アズビルでも研修後にWebアンケートを実施しリマインドを図っています。研修後に実践度合いを測ることを積極的にお客様に提案していきます。

最後にBroad&Newstrom(1992)の研修転移マトリックスも有用です。縦軸に役割者(マネジャー・講師・受講者)が入り、横軸に時間(研修前、中、後)の3×3の図です。講師達へのインタビューで影響と使用の順位付けをしたところ、1位が研修前のマネジャー、2位が研修前の講師、3位が研修後のマネジャーからの働きの順に影響力があることが分かりました。現在行っている社長からの手紙だけでなく、直上司からの手紙の作成、研修後のマネジャーへのアンケート実施により、より研修転移を促進できると思いました。
(688字)

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第64週『誰でもビジネス書の著者になれる! 出版の教科書』

第64週
2018/10/20
『誰でもビジネス書の著者になれる! 出版の教科書』
松尾昭仁著 秀和システム

本を出せるぐらいの実績をつけてはじめてプロや一流の証と思う所があり、書籍の出版は私にとって宿願です。清瀬も始まったことで出版が視野に入り、本書を手に取りました。

私が掴んだ書籍出版(商業出版)のポイントは二つです。まず、出版社は「いい本」ではなく「売れる本を出したい」という前提を押さえることです。「あくまで読者が求めるコンテンツを本にまとめるのが大原則」と筆者が言うように、自分が伝えたいだけでは出版はできないということです。ビジネスの世界ですからニーズが必要。当たり前ですが見失いがちな大切なことだと思います。売れる本という目的に立脚すれば、売れるための企画をする、編集者に謙虚に接する、販売促進も行う等も全てつながります。

もう一つは、出版は誰もが驚く実績がなくてもできるということです。これは読者ターゲットを明確にすることとセットです。『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ方法』は、セミナー講師を開始し1年半の時に筆者が出したものです。高給の外資コンサルタントには評価されずとも、これからセミナー講師を始めたい人や、キャリアが下の人をターゲットに書きスマッシュヒットになったそうです。通常、出版はS級の専門家が書くものと思っていましたが、A級、B級、C級、D級もありピラミッド構造になっています。C級でもD級より下の人に教えられることがあり、これを筆者は「三角形の法則」と言っています。あわせて新人筆者は大ヒットを狙って読者ターゲットを広げてはいけないとも言っていました。

読了後、自分の中で書籍出版のイメージが変わりバーも一気に下がりました。簡潔ながら本質をついている良書でした。
(700字)

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第63週『心理療法序説』

第63週
2018/10/13
『心理療法序説』
河合隼雄著 岩波書店

1年以上前に英明から咲心舎全員に薦められた本。カウンセリングの知識は、生徒の心身の成長を促す上で土台になるような気がしたこと。また心療内科の通院時に、クオリティライフが高まる参考になればと思い手に取りました。

まず、部分ではなく全体を網羅し、体系的に学べる本書のような書籍は自分の好みとあらためて感じます。

一番心に残っているのは心理療法の理想像です。心理療法の4つのモデル(医学モデル、教育モデル、成熟モデル、自然(じねん)モデル)を提唱し、医学モデルが「治す」に対して、自然モデルが「治る」に近く、これを理想像としています。干ばつの地域に雨を降らすことができた男に理由を聞くと「道(タオ=梵我一如)の状態に自分がなった。すると勝手に雨が降ってきた」と。この因果律で捉えない態度は凄いなと思います。「自分がいたからではなく、クライアントが勝手に回復した」的な説明のつかない状態が理想と解釈できます。そのためにも、療法家はクライアント自身が自分の心の深層を探求するのを援助するのみで、ドグマ(教義)のない宙ぶらりんの状態に耐える強さが必要と言っています。

もう一つ印象深いことは、日本は家族の一体性が欧米より強いこと。誰か一人が悪いということはなく、家族の誰かをスケープゴートにして、後の全員が安定していることは割にあるそうです。ただこれも因果律で捉えるのは危険で、例えば、非行の子供がいて、父親がアルコール依存症だったとします。原因は父親にあるとなりそうですが、父親がアルコール依存症→子供は非行化するは、普遍性をもちません。現場実践として、子供達への接し方の参考にすること難しいです。原因を設定しなければ短期解決がしにくいからです。ただ、「自然モデル」を念頭にあくまで子供達自身が気づいていくことを理想とする。これは子供達の健やかな成長にとって大切なことと感じます。
(781字)

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第62週『言霊はこうして実現する』

第62週
2018/10/6
『言霊はこうして実現する』
大野靖志著 文芸社

横綱稀勢の里が進退がかかる今場所前に読んでいたと新聞記事に載っており、興味があり手にとった本です。

本書は「言霊学(げんれいがく)」と、言霊学と結びつきの強い伯家神道(はっけしんとう)を紹介している書籍と考えています。このような言い回しになった理由が、私自身内容をはっきりと理解ができていないからです。「言霊」という神秘の世界を量子力学に沿い科学的に説明しています。言霊発生のメカニズムは、母音(イエアオウヲワヱヰ)が柱となりS極が陽子(+)である。父韻(TKMHRNYS)はN極電子(―)の働きをしている。父韻と母音が合成すれば、電流が発生し磁界ができる。これが続くと電磁波となりエネルギーが放射されるというのが私の理解です。ただ、オカルト的で若干の忌避感も感じたまま読んでいたこともあり、完全に納得まではいきませんでした。

その中でも一番参考になったのが、「言霊で現実を創造する方法」という章です。ポジティブシンキングやアファーメーションが上手くいかない理由が、「脳が問題の背景にある事の深層を理解していないため」という箇所が腑に落ちました。何かの願望の裏には「不満」「不平」などがたまっていて、それを隠すと脳が事の真相を理解できず上手く機能しないとのこと。そこで言霊を活かす構文の5ステップを本書では提示しています。しっかりと不満を出した上で、肯定的にとらえるやり方であり、「まじめに仕事をしているのに叱られるなんて腹が立つ」→「そこで振り回されても損」という結論まで5段階のステップを通ります。言葉には力があると元々思っていますので、完全には理解しなくとも本書はその思いを後押ししてくれました。
(699字)

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第61週『年収1億円になる人の習慣』

第61週
2018/9/30
『年収1億円になる人の習慣』
山下誠司著 ダイヤモンド社

ビジョン実現へスピードを上げるべく新習慣(5TODO)を考えていた中、年収1億円への習慣という具体的な数字に惹かれ、新習慣設定の参考になればと考え手に取りました。

著者は、日本最大級の美容室チェーンのNo.2で現在42歳。専門学校を出て31歳で年収1億に到達しています。読了して思うのは「仕事をする上で本質的な習慣」が多く、強く刺激を受けました。新5TODOの設定に影響を受けた項目を3つほど挙げます。

まず「『年収1億円を越えたければ、仕事を大好きになる事が大前提』」という事。別の書籍にも「メガ成功者は仕事が大好き」と書いてありましたが、その通りだと思います。著者は15年間1日も仕事を休まず、休まなかったから仕事が楽しくなったと言っています。能力や資質のある人が仕事をすればするほど価値は増大し、収益が伸びるのは当然です。私自身昨年少し止まり仕事量を減らしました。しかしここからビジョン実現へスピードを上げるべく、念願の朝型シフト共にもう一度仕事量を増やそうと決意しました。

次に、「お金と時間は目的、目標の実現のために集約する」事です。携帯やiPadなど気晴らしという名の無駄な時間を使わず、深酒も禁止しました。ビジョン実現(仕事・家族)に時間とお金を集約する、その方が逆に潤いが出るはずです。

最後に「年収2000万円の壁を破るには分かちあうこと」という一節。自分のためだけでなく、周りの人にいる人達にも喜んで欲しい。年収云々というより、この感覚には深く共感できます。私の家族、仲間だけでなく、周りの人と一緒に幸せになりたい。もっと分かち合いを増やしていこうと思えました。
(687字)

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第60週『今いるメンバーで『大金星』を挙げるチームの法則』

第60週
2018/9/23
『今いるメンバーで『大金星』を挙げるチームの法則』
仲山進也著 講談社

チームとして組織の力と成果を最大化したい。これが私の思いです。先日イーブックの今井さんが本書を持参され、話を聞いた後すぐに取り寄せました。本書は『GIANT KILLING』という、サッカー監督が主人公の漫画を題材に、大番狂わせを起こすチーム作りの考え方と方策を伝えています。

本書は最高のチームになるためのステップを提示しています。これはタックマンモデルに近く、フォーミング(形成期)→ストーミング(混乱期)→ノーミング(規範期)→トランスフォーミング(変態期)です。

ポイントはストーミング。特徴は、『「私はこう思う!」-各メンバーの本音の意見が場に出る。対立・衝突が起こり、感情的にモヤモヤ・イライラする』『生産性が低下し、コントロールしにくい状況が生まれる』『キャラクターが表出し、相互理解が進む』等。私自身「フォーミング体質」で、すぐにコントロールして改善しようとします。そうすると単なる「グループ」にとどまり、「チーム」にはなりません。

咲心舎は以前よりもチーム化は進んでいますが、まだジャイキリチームまではいかずストーミング途中でしょうか。『「各々の垣根を越えて、自分の役割以上の仕事をする・・・それが俺の憧れる・・・クラブの形だからね」」と主人公の監督が言っています。組織としての活動が「自分ごと化」していき、全員が自分の役割を超える行動が出ると、咲心舎はジャイキリできるチームとしてステージに上がると考えています。「各メンバーが『自分の価値基準』を場に出すのがストーミングの本質」とあるように、ぶつかることではなく、塾生のために、私達同士が本音の意見を伝え合うことが大切です。
(700字)

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第59週『サーバントリーダーシップ入門』

第59週
2018/9/15
『サーバントリーダーシップ入門』
池田守男 金井壽宏著

JBSの和田さんから「サーバントリーダーシップ(SL)でオススメの本がないか」と聞かれ、SLはスルーしており自省の念と共に手にとりました。SLはAT&Tマネジメント研究センター長を務めたロバート・K・グリーンリーフが提唱した考えた方です。訳すと「奉仕・献身のリーダーシップ」ですが、これは小間使いや召使いではなく、ミッションのもとに社員に尽くすという考え方です。

本書では資生堂の池田社長の改革をSLの事例として紹介しています。池田社長は2001年「店頭基点」を掲げ、組織を逆ピラミッドにし、現場のビューティーコンサルタント(BC)を支える形をとりました。25,000全店舗にPOSを入れ、販売額で奨励する仕組みや、生産計画の精緻化、商品づくりに生かす。また100のブランドを30に絞りBCの負担を減らす。ミドルに改革について対話する場や、BCからも意見を聴く場を設けました。『理念・信条・方針にはトップダウンが、日常の実践レベルではメンバーを支えるサーバントの精神が必要なのではないか』と池田さんは仰っています。咲心舎でも「塾生基点」のみを掲げ、英克と浩子を支える考え方がしっくりきます。

また、グリーンリーフセンター所長のスピーアズがSLの10属性を示していますが、③癒し⑧執事役⑩コミュニティづくり、中でも信念と自信の強さからくる「人を癒す深い安心感」は私が身につけたいものです。精進していきます。
(600字)

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第58週『未来の年表』

第58週
2018/9/8
『未来の年表』
河合雅司著 講談社現代新書

企業研修で参加者に未来予測をしてもらいますが、私自身も未来を勉強しておく必要があり手に取った本です。

本書は人口減少にフォーカスをあて、人口減少から引きこされる様々な現象と最後に解決策を提示しています。未来予測といっても、少子化がすぐに改善しない状況をふまえると、ある種確実に起こる未来として捉えても良いかと思います(だから予測ではなく「年表」としていると推察できます)

①2017年女性の高齢者比率(65歳以上)は30.1%。既に女性の3人に1人は高齢者でおばあちゃん大国になっている点は驚きです。

②2018年、2009年以降横ばいで留まっていた18歳人口が減少し始めます。国立社会保障・人口問題研究所(以下社人研)の「日本の将来推計人口」によると、18歳人口は2017年120万人、2024年106万人、2032年98万人と推移する予測になっています。2016年で既に44.5%が私学で定員割れ状態ですが、地方の国立大学でも、大都市圏への流入により、存続危機の大学が増えるでしょう。

③2019年IT技術者が不足し始めます。経産省の調査によると、現在供給が92万人。2019年から退職者が就職者を上回り供給が減っていきます。2015年で既に17万人が不足する一方、需要は増えるので2030年では79万人(市場の伸びが最大の場合)不足が生じると見込まれます。

④2024年ダブルケアの問題。人口問題を語るときは人数が多い団塊世代がキーとなると感じます。2024年には段階世代が全て75歳以上となります。このとき65歳以上は3677万人。3人に1人が高齢者となる超・高齢者大国の出現です。そして、晩婚化で平均出産年齢は30.7歳(2016年)。第二子以降50代で子育て中もありえる中で、介護も必要となるのです。

⑤2033年空家問題。総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年)によると、総住宅数6063万戸のうち空家が820万戸に上り、13.5%を占めています。野村総研の試算によると、2033年総住宅数は7126万戸、空家数は2167万戸、空家率は30.4%。3戸に1戸が空き家となる予測です。ちなみに「自治体の空き家対策に関する調査研究報告書(平成26年3月発行)」によると空き家のもたらす問題として「雑草・悪臭など衛生環境悪化」「景観の悪化」「不法侵入などによる治安の悪化」「生命・身体への被害のおそれ」が挙げられています。

⑥2035年未婚大国。厚労省の「人口動態統月報年計」よると婚姻件数は2016年62万500組み、1万400組も減少し戦後最少を更新しました(ちなみに、うちできちゃった婚は25.3%)。生涯未婚率は2015年厚生労働白書によれば、男性は24.2%。女性は14.9%。これが2035年男性29.0%、女性は19.2%に上がる予想です(1970年男性1.7%、女性3.3%)。男性年収300万円未満で未婚率が多く、女性は600万以上で未婚率が多いそうです。社人研の「第15回出生動向基本調査」(2015年)内の独身調査(25~34歳)では、交際相手のいない未婚者男性69.8%、女性59.1%となっています。内閣府「結婚・家族形成に関する意識調査報告書」(2012年)によると、恋愛が面倒:男性47.3%、女性45.0%、恋愛に興味がない:男性25.3%、女性30.7%になっています。交際に関しては消極的というのが伺えます。単なる出会いの場だけ創出しても難しそうです。

⑦2040年自治体の半数が消滅の危機に。社人研の「日本の地域別将来推計人口」(2013年)によると、2040年減少率は秋田県の35.6%など地方が厳しい人口減にされされますが、なんとアクセスの不便な大都市圏の自治体も減少する予測です。青梅や福生は25%、足立区21.3%、葛飾区19.2%、杉並区も15.5%予測しています。

最後になりますが、筆者は10の少子化対策案を挙げていますが、下記は現実的で実効性もある案だと思います。
・高齢者を75歳以上として、75歳までは生産労働人口とする。
・非居住エリアの明確化
・都道府県の飛び地合併
・社会保障費循環制度。死亡時に公費で賄われた分は返還する。
・第三子以降に1000万円給付
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