宗興の本棚

第17週『プロ教師の「超絶」授業テクニック』

第17週
2017/11/25
『プロ教師の「超絶」授業テクニック』
中土井 鉄信 著

授業の要素を体系的に表したものがないか、と手に取った本。上記の目的には合致しませんでしたが、それでも幾つか自分の授業に役立つ項目があったので伝えます。

一つ目は、「わかる→できる→身につく」のフレームワークです。トライでも、理解→習得→習熟という概念が理想の成長ステップとして使われていましたが、本書のステップはよりフィットします。300点未満の塾生はわかる→できるでつまずき、350点未満の塾生は
できる→身につくが壁になると感じます。授業やジコガクで解けるが、身につくまで至っていないケースです。身につくには、毎回のジコガクと共に、試験前2・3週間での膨大な勉強量が必須と感じます。

二つ目は、意欲=価値×期待であること。特に期待の部分は、結果期待・効力期待・手段保有感に分かれます。結果期待は頑張れば上手くいく実感であり、努力期待は自分は努力ができるという実感です。結果期待を高める鍵は過去の成功体験であり、過去の点数ベースで塾生に伝えていきます。そして、努力期待を高める鍵は小さな目標と承認です。そもそも授業の中でどれくらい承認を与えているかで、授業の良し悪しが決まるという著者の言葉は、胸に刺さりました。確かに、授業のプレゼンは全て承認活動が土台となる事がのぞましく、意欲を覆っている氷を承認が溶かすことになると感じます。今後の授業では必ず、一人いちほめ、全体いちほめをしていきます。
(590字)

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第16週『経営計画は1冊の手帳にまとめなさい』

2017/11/18
第16週
『経営計画は1冊の手帳にまとめなさい』
小山昇 著

経営計画書作成の参考図書として、フォスターワンの坂上さんに薦めて頂いた本書。小山氏は武蔵野という中小の雄的な実力ある企業の社長であり、経営に関わる数々の本を書かれています。参考にしたい事は下記です。

一、経営計画書は社長の姿勢を示すものであり、社員の姿勢を書かないということ。難しいと思える方針を実施してもらうのに、社員に協力をしてもらうのが正しい姿勢である、と小山さんは仰っています。弊社においても経営計画書には私の姿勢を書きます。これにより、ビジョン実現に向け自分が実行する、責任は自分がとるという決意の表れになると感じます。

二、自社ができることだけを決定すること。『「経営計画書」は「魔法の書」です。なぜなら、そこに書いてあることは全て実現するからです』と小山さんは仰っています。理由は今できること、そして少し頑張ればできることを記入するからです。実力がないのに、理想や願望だけ掲げても実績にはつながりません。記入する方針の数も質もこの点に気をつけて決定したいと考えています。しかし、「魔法の書」といわれると、ワクワクしてきますね。

三、五年後に売上倍増を決定すること。その理由は、人は誰しも夢なくしては努力しないからと仰っています。この章を読んだときに、私自身「やってみたい」と思いました。やはり売上を上げていくことは心躍る目標になります。皆もその方が希望が持てるはずです。必ず11月中に作り上げます。
(595字)

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第15週『心を高める、経営を伸ばす』

第15週
2017/11/11
『心を高める、経営を伸ばす』
稲盛和夫 PHP社

坂上さんの薦めで本書を6月から毎日見開き1P音読し、今週一旦読了しました。全部で106個の項目があり所謂経営哲学書となります。その中で特に自分の心が強く呼応した項目を二つ列挙します。

一つ目は、「未来を開く」です。「明治維新のような大きな変動がある時代には、若い力の台頭が必要」と稲盛さんは仰っています。そのような未来を開く若者は、職場改善の意気に燃え、よく勉強をし、透明なまでに素直、加えて自己犠牲の精神があり、また何より体を張り命を捨てるぐらいの強烈な意志がある、とのこと。世を動かすのが50代以降の方々であれば、私はまだ若者です。日本の教育改革のために私には自己犠牲の精神と岩をも溶かす情熱が必要であり、全ては自分次第だと意を新たにしました。

二つ目は、「自らによりどころを求める」です。「何か新しい企てを進める場合、どんな苦難のも妥協せず、自分の正しい道を真っ直ぐ歩むことが大切である。」そしてその事をある種の「無頼性」と稲盛さんは表現されています。自分をよりどころすれば、世間の常識や事例などの拘束から離れ、信念を追求することができます。その姿勢があってはじめて創造性が生まれる。これがまさに私が体得したい姿勢です。塾でも企業研修でもNPOでもこの姿勢を形成してきたから様々な着想を得て、ここまで来れたのだと思います。

この素晴らしい106個の中から幾つか私自身の経営計画書の項目にしていきます。
(600字)

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第14週『優れたリーダーはみな小心者である』

第14週
2017/11/5
『優れたリーダーはみな小心者である』
荒川詔四著 ダイヤモンド社

「臆病さが理想をかなえる」
自分は豪胆ではない。あきらかに臆病で小心である。これが自分の自己評価です。繊細さといえば聞こえが良いですが、ちょっとした事が気になる神経質な面があり、それが不安やコンプレックス等を生み出し、大分自分の心を傷つけてきたと思っています。またそのような自分を受容し好きになることができず、自己肯定感が低くなっていました。

だからこそ、臆病で小心な自分はできれば解消したい心の課題でした。しかし、トライを経て起業してからは、徐々に内面が変化してきています。「臆病さや小心な自分もありだな」と。忌み嫌うものではない。臆病さ小心さは不安事を生み出し、相変わらず眠らせない、気持ちを落ち込ませるなど自分を苦しめる事はあるものの、現実的に一つ一つ問題が解決し、ビジョン実現に近づいているのです。しかも周りに支援・応援してくれる方も多々いて、かなり幸せな状態でここまで来れている。

サラ最近元気なさそうだけど大丈夫かな、みゆのお母さんと最近連絡とってないけど心配してないかな、ゲン確認テストの結果に闘志が感じられない、これはほっておけない、新学年のチラシがこけたらどうしよう、等々心配事をあげたらキリがない。取るに足らないものや杞憂もかなりありました。

だけどそこで感じた不安から逃げずに具体的に行動して解決してきたからここまで来たのだなと思います。そんな自分を否定する必要はない。この臆病さ、小心さが良かったのです。

本書はブリヂストンの元CEOが書いたリーダーシップ論であり、自己肯定を後押しするために手に取った本でしたが、目的通り背中を押してもらったのは事実だが、この方との差異も痛感し、良い意味でプレッシャーも感じた。シンプルにこの方は私以上に考えている。それでいてポジティブ。

「目先に利益より」実力を養うことを優先する」「人格者を目指すな」「小心な楽観主義者たれ」「権力ではなく実力でリーダーシップを示す」「理想論者は寝言」「苦行をやり抜いてもリーダーシップは生まれない」「自尊心を傷つける程愚かなことはない」「優れたリーダーは傾聴する」

など琴線に触れた言葉を沢山頂きました。

これからは二点、まずは「合目的的」であること。すなわち自他の感情を大切にしながら「目的立脚」の極みを目指すこと。もう一つは、やはり「実力」を養っていくこと。坂上さんと相談して勉強強度なども上げていこうと考えています。最終的には著者が言っている「繊細な神経を束ねて図太さをもち、臆病も美徳である」と言いきれたら
もっと素敵だなと感じます。

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第13週『スタンフォード式 最高の睡眠』

第13週
2017/10/27
『スタンフォード式 最高の睡眠』
西野精治著 サンマーク出版

今私は心技体のそれぞれを磨き、まさに蛻変(ぜいへん)しようとしています。心技体の各パートついて、知識を得て実践をし、内省をすることを繰り返す。最初の知識習得は主に書籍からであるが、今回珍しく心技体の体パートの知識を得るために、本書を手に取りました。

睡眠についてはここ3年ぐらい良質な睡眠をもとめストラグルしてきました。特にこの1年間は睡眠の質の悪さに苦しみ、疲労が取れずパフォーマンスが落ちることが何度もありました。例えばそもそも入眠が出来ない。また入眠が出来ても眠りが浅く悪夢にうなされる。何度か起きてしまうなど。この本から得た知識で今試していることを幾つか列挙します。

まず大前提として、良質な睡眠は最初の90分で決まる事は目から鱗でした。ノンレム睡眠とレム睡眠の周期が4回転ぐらいするのだが、平均的に徐々に眠りは浅くなる。最初のノンレム睡眠が浅いと、更に浅いまま周期を繰り返すため、質が悪くなるというメカニズムです。

最初をとにかく深くするこれに尽きます。その為に、寝る前に「体温」と「脳」に眠りのスイッチを入れる事を学びました。体温のスイッチは、深部体温と皮膚体温の差を縮めること、具体的にはお風呂につかり深部体温を上げる、その後90分ぐらいで深部体温が下がり始めるが、皮膚体温は既にかなり下がる。元々皮膚体温が高いため、入浴後90分ぐらいで丁度温度差が一番小さくなる。ここが眠りのポイントであり、ここで来るはずの最初の眠気を逃さないことが大切となります。

また脳のスイッチについては、とにかく脳を使わず単調な状態にすること。私の場合は、寝る前の将棋をやめ、瞑想をして貢献したシーンなどを思い浮かべ、副交感神経を優位にしています。結果として、大分入眠は良くなりました。ただ、最初の90分についてはまだ何とも言えません。入浴から睡眠までの時間にばらつきがあり、そもそも入浴の時間が不規則ということもあります。

今後は「入眠定時」を大切にしたいです。決まった時間に眠るとやはりリズムが作りやすいそうだ。模索してみます。

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第12週『教養として知っておきたい二宮尊徳』

第12週
2017/10/21
『教養として知っておきたい二宮尊徳』
松沢成文著 PHP出版

「辿り着いた場所そして不惑へ」
「自分の人生の師は誰か?」これまで私は答えることができませんでした。渇望してきたのですが見つけることができませんでした。LIFULLの井上さんではと言われることもよくありますが、自分の中で井上さんは師ではありません。敬愛するメンターというのが近い表現かもしれません。この夏、その恋焦がれてきた師に40手前でようやく会うことができました。

その師の名は二宮尊徳扇です。尊徳よりも二宮金次郎という幼少期の名で世には広まっているかもしれません。二宮尊徳扇は、江戸末期の方で、道徳と経済を両立させた方策
で農村を改革し、600以上の農村の再生を果たしました。その方策は「報徳仕法」と呼ばれ、尊徳扇が亡くなった後も後継者達ひ引き継がれ、明治以降の日本の発展に大きく寄与してきました。

尊徳扇を師と仰いだ方は渋沢栄一、安田善次郎(安田財閥創始者)、豊田佐吉(トヨタ自動車創始者)、松下幸之助、稲盛和夫など、農業系だけではなく経営者・実業家の多くも尊徳扇を信奉しています。

本書は元神奈川県知事の松沢氏が尊徳扇について、その人生や思想を紐解き、分かりやすく解説している書です。尊徳扇を師と私が決めたのは「道徳経済一元論」にあります。経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である、という考えで、単なる夢想家や理想論者ではなく、実行と創意工夫を重ね成果を出す。私の根本の考え・感覚と同一と言っても過言ではありません。いくら道徳を説いても金がなく実行ができなければ何も生まれない。だから実践をする。そして道徳の実践をさせる経済の実践があってこそ社会が発展していく。この理想的現実主義の考えに心から共感しました。

一方、自身は清貧ともいえるぐらい、分度をわきまえ生きていく。全身全霊で人生そのものが理念の体現という私の目指す所一緒です。また、心田開発という、田畑を開発するより、本人の意欲を引き出す所から自立の基盤を育成する考え方も一緒です。補助金は一切やめ、農民一人一人が立ち上がることで、再生していく考え方は本当に真っ当です。

40年出会わなかった師とここで会いました。心から喜びを感じています。尊徳扇を師として私淑していきます。尊徳扇の思想や哲学など、これから都度、皆様に少しづつ私の言葉で話をしていきたいと思います。

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第11週『伝え方が9割』

第11週
2017/10/13
『伝え方が9割』
佐々木圭一著 ダイヤモンド社

この売れない時代に100万部を超える超ベストセラーの本。コーチのえりさんが、佐々木さんの講演を聞いたという話も契機となり手にとりました。感じたことを3つ程、記載します。

1.最近売れる本の条件
結論で言えば、「憧れられるもの」×「実行しやすいもの」だと思います。所謂ビジネス書的なものの類で最近100万部を超えた本があります。『誰でもべたーっと4週間で開脚』という本で、『伝え方が9割』との共通項を探った結果、この掛け算が出てきました。「開脚」は多くの人の憧れです。「わかりやすく伝える」ことも憧れている人が多いのではないでしょうか。また、「実行しやすい」についても、両書とも文字が大きく
見やすく、分かりやすい構成です。

2.社外の賞が大きなインパクトとなる
米国の広告賞One Show Designで日本人初、ゴールド賞を獲得。カンヌ国際クリエイティブアワードでシルバー賞他計3つ獲得。AIMアワードグランプリ獲得と聞くとどう思うでしょうか。私は凄いなとなりました。これらは著者佐々木さんの実績です。私自身はリンク時代社内の賞を何度もとったのですが、やはりこういった外の賞をとることは、実績として大きなインパクトを及ぼすと感じます。ライフスキル教育も何か社外の賞を取れるとより波及しやすいと思いました。

3.強い言葉の作り方
本書は「ノーをイエスに変える方法」と「強いコトバを創り出す方法」の2つの構成です。特に「強いコトバ」の5つの方法は、本当に簡単にできるものが多く、チラシ等にすぐに活用できると感じました。例えば、ギャップ法。伝えたい事と反対の事を入れて表現します。「あなたが好き」ではインパクトが弱く、ギャップ法を用いると、「嫌いになりたいけど、あなたが好き」の方が強いコトバになります。「私は味方です」より「誰もが敵になっても、私は味方です」の方が強くなります。「事件は会議室で起きているんじゃない」も、「事件は現場で起きているんだ。会議室で起きているじゃない」の方が強いコトバになります。浩子、次宜しくお願いします。<笑>

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第10週『学習意欲の心理学』

第10週
2017/10/7
『学習意欲の心理学』
桜井茂男著 誠信書房

「まず潜在能力を認めるところから」
内発的動機を生み出す学術書。筑波大桜井教授が自身の実験結果を交えながら、内発的動機付けを分かりやすく解説しています。

内発的動機の3つの要素である、1有能感、2自己決定感、3他者受容感。これをベースに大きく二つの観点で感想と決意をまとめます。

一つ目は、内発的学習意欲の発現プロセスである。本書より私達が育てたい知的好奇心、達成意欲、挑戦心などは、内発的学習意欲が源となっていることが分かりました。源:有能感・自己決定感(←他者受容感)→現れ:知的好奇心、達成意欲、挑戦心→感情:楽しさ・満足→源:有能感・自己決定感・・・・と好循環プロセスが内発的学習意欲の発現プロセスです。知的好奇心などを涵養したいと思えば、内発的動機付けがやはり必要なのです。重要性をあらためて認識することができました。

二つ目は、内発的動機付けの具体的な方策です。内発的動機は、有能感と自己決定感が源であり、特に有能感が源中の源となるようです。有能感は平たくいえば「自分はやればできる」と感じること。K君が「やっても無駄」と思っているのは有能感の無さの典型です。

私がしたいことは、まず能力(潜在能力)を認めてあげることをしたい。その為にも観察が必要です。Sさんについては、本心から伸びる能力があると思っています。だから力強く励ますことができます。中1全員に対し、この2ヶ月間のタイミングで、潜在能力をほめられるように観察します。

また、自己決定感も大事です。親や先生に言われて仕方なくやった勉強で上手くいかない場合「やっぱりやらなきゃよかった」となります。よって自分で決めることはこれからも促していきます。

ただ、他者決定ではじめた勉強も好結果が出れば、次はこうしてみようと自己決定感につながる可能性があります。私達がけん引する場面とバランスが重要です。10:0ではありません。

最後は、他者受容感です。教師から受容されていると感じなければ、思い切った勉強はできません。つまり「安心して勉強できる場」が自発性には必要であり、愛情や応答的環境づくり(反応がある環境)が求められます。「僕は君たちがあきらめても、絶対にあきらめません。可能性を信じているから」とこの1ヶ月の間で伝える場をもちたいと思います。

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第9週『目標達成ノート』

第9週
2017/9/30
『目標達成ノート』
原田隆史著 ディスカバー21

「自信は毎日の積み重ね」
元公立中学の体育教師であった原田先生の「原田メソッド」をツール化した書籍。担当中学の陸上部が7年間で13回の日本一を実現したことで、脚光を浴びた「原田メソッド」は企業も注目し、原田先生には350社7万人が指導を受けている。非認知能力育成メソッドとして高い評価を得ています。

この原田メソッドで印象的だったことは3点あります。

一点目は、「自信」というものが成長や、能力発揮、問題解決にとても重要であるという事でした。原田先生が赴任した中学はいわゆる荒れた学校であり、問題行動の裏には自信が極めて低く、元気もないやる気もない、夢もないという心の問題であることに気づいたそうです。

民間でロケット開発をしている植松さんも自信のなさが他の人の幸福を奪っていく諸悪の根源であるという趣旨の話をされていました。あらためて「自信」のもつ影響力の大きさを感じました。今の塾生を見て、点数が伸びきれない、素直になれない等はこの自信のなさからくるものではないか。全てとは言いきれないが、中学生の顔を思い浮かべても思い当たるところが大きいです。

二点目は、自信は何か実現できたときに倍数的に一気に高まるのではなく、毎日少しづつ高まっていくものだという事。目から鱗でした。日誌に毎日「今日のよかったこと」「がんばったこと」「陸上部としての成長」を書き込むうちに、生徒達は日々自信を高めていったそうです。早速「良かったこと」というMyライフスキルシートの項目に入れました。Myライフスキルシートの記入は週1回であり効果は薄いかもしれませんが、項目としてある方が間違いなく良い。自信は自分で持つものであるから、周りがいくらとやかく言ってもダメです。自己認識してもらう方法をより具体的に編み出していきたいです。

三点目は、振り返りの仕方で有効な問いがあったこと。原田メソッドでは日誌に「今日もう一度やり直せるなら」という問いを入れています。この問いは単なる原因分析にとどまらず、未来志向で次の策を生み出せる問いと感じました。早速中1の振り返り作戦シートの次の作戦欄に「もう一度やり直せるとしたら」という問いを書いてもらい、各教科振り返ってもらいました。来週水曜日までの課題なので、提出後じっくり見てみたいと思います。

最後に、コーチ―と生徒の信頼関係がやはり人の成長を促していくと再確認しました。原田先生は生徒の日誌に毎日赤ペンを入れてました。指摘・称賛・意見等々。この労力が信頼感を生んでいると感じます。私もMyライフスキルシートに赤ペンで記入し、塾生とコミュニケーションをとっていきます。

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第8週『ライフスキル教育入門』

第8週
9/25/17
『ライフスキル教育入門』
特定非営利活動法人 青少年育成支援フォーラム(JIYD) 風人社

「自分達の道を」
ライフスキル教育という言葉は、感覚としてはまだマイナーではある。検索すると、様々な団体や定義が出てくるのだが、ライフスキル教育を本格的に学校教育に導入している団体がこのJIYDである。リックリトルが開発したライフスキルプログラムは、ライオンズクエストという名で世界40ヶ国に展開されている。校数までは詳細はつかめていないが、このライオンズクエストは、かなりの数の公立小中で導入されているようだ。
本書を読むと熱狂的な校長や教員のファンもいることが分かる。清二中の学校改革にヒントとなるものがあると感じ、手にとったこの書。参考にしたい点は大きく三つあった。

一点目は、国連で定義されているライフスキルの3本柱を知れたこと。1.コミュニケーションと対人関係。2.意思決定と問題解決。3.感情コントロールの力。私達のライフスキル教育にも取り入れる要素があると感じる。ただ、成熟社会の日本だからこそ必要な力と考えると、私達の定義の方がしっくりくる。

二点目は、学校への定着のコツがわかった事。異動が前提の公立学校で一過性で終わらせず定着するには、3つのコツがありそうだ。1.カリキュラム化 2専門部署の立ち上げ3教員の理解と一体感。

三点目は、教育養成のカリキュラムとして、大学に入っている事。私達のプログラムも全大学の教職課程に入ることが、とてつもなく大きな影響力となるかもしれないと感じた。ライオンズクエストはプログラムとしても良質でよく考えられていると感じる。
既に体系化され授業パッケージ化されているので普及も進むだろう。全公立にこのプログラムが入るのも私は良いと思う。一方で入らないのはそれなりの理由がある。その点を探求し、私達なりの道で教育改革に取り組みたい。